第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#7
呪縛の死線 玲瑞の晶姫VS漆黒の悪魔U 〜Shallow Sleep〜
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く白銀の甲冑に包み尖鋭な細剣を前に突き出す、
荘重な騎士の姿が在った。
『テ、テメーはッ!? “なんでテメーが” ここにッッ!!?』
「どこにだって現れるさ。
か弱い淑女が窮地の時にはな」
喉元を串刺しにされて宙に浮く悪魔に、
その騎士を従える操者が静かに告げる。
普段の軽佻浮薄な雰囲気が微塵もない、
義勇と礼節を携えた高貴なる振る舞いで。
精神肉体共に困憊していた為か、
ヴィルヘルミナの瞳には、その姿がまるで違う者に映った。
「詳しい事は解らんが、 『敵』 だな? お前?
淑女を怯えさせた時点で、その 『罪』 万死に値する」
そう言ってスタンドの細剣を引いた銀髪の騎士は、
半身になって鍛え抜かれた躯を揺らめかし、傍に立つ者と共に悠然と構えた。
『テメエエエエエエエエエェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!
J・P・ポルナレフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!
この!! 裏切り者がああああああああああああああああああぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!』
新たな恨みでヴィルヘルミナの事はどうでもよくなったのか、
喉を貫かれながらも悪魔は毀れた牙を向いてその男のスタンド、
『銀 の 戦 車』に襲い掛かる。
「それは半分、正確じゃないな」
迫る拷問咬撃に、ポルナレフは怯む事なくスタンドを動かした。
淀みのない円運動を描く白銀の軌跡が、刹那に夥しい数の斬閃と化す。
その精密性だけなら、スター・プラチナに匹敵する空絶の剣技。
「オレは “悪” は裏切るが、
『正義』 と 『淑女』 は裏切らない……」
声と同時にスタンドと本体が空間を断裂したかのように駆け抜け、
後には五体バラバラに切り刻まれた悪魔の亡骸が残された。
『……』
自分が絶命したコトも解らなかったのか、
エボニー・デビルは嘆きの断末魔すら挙げずドサドサと床に落ちる。
その 「本体」 の無惨な死体は数十分後ホテル二階の備品倉庫にて、
在庫を確認に来た従業員の絶叫によって発見された。
「……やれやれ、間一髪だったな。
君がスタンド攻撃に襲われているのなら、
もっと速く来るべきだった、すまない」
窮地を救った事を当然のものとし、
それでも至らぬと彼は謝罪の言葉を口にする。
ソレは、裡に宿る幻象と寸分違わぬ、誇り高き騎士の姿。
「何故?」
流石に死を覚悟した為、未だ心神定まらぬ淑女に代わり、
その被契約者が問うた。
「イ、イヤァ〜、 “偶然” 部屋の前を通りがかってよぉ、
そしたら妙な叫び声と彼女の悲鳴が聞こえたも
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