マブラヴ
1479話
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朝食のセットを食べながらスレイが呟く。
その気持ちは分からないでもない。スレイも一度この世界特有の食事……合成食を食べた事があるのだから。
少なくても、俺はあんな食事を食いたいとは思わない。
いや、合成食を食べるくらいなら、俺は何も食べない方を選ぶだろう。
そもそも俺の身体は魔力によって構成されているのだから、栄養は決して必要な物ではない。
食事は俺の娯楽に過ぎないのだから。
……まぁ、食べた物は即座に分解されて魔力になって吸収されるので、食事を取る意味がないって事はないんだが。
「この基地は色々な意味で重要な場所だからな。食べる楽しみは重要って訳だ。人間、美味い料理を食ってれば、大抵の不満は水に流せるし」
「その通り!」
そう言いながら俺の隣に座ったのは、予想通りVG。
「おはよう、スレイ。昨日は良く眠れた?」
「ステラか。……そうだな。ぐっすりと眠れはしたが、身体の疲れは抜けるどころか寧ろ増えているように感じるな」
スレイの言葉に、ステラは悪戯っぽい笑みを浮かべて俺の方へと視線を向けてくる。
その視線は、どこかマリューや千鶴に似た、母性に近いものがあった。
「あらあら、英雄色を好むって言うけど……スレイも大変ね?」
「その辺は承知の上で今の立場にいるのだから、文句はないさ。おかげで私もストレスを溜めるという事はないし」
「へぇ、彼そんなに上手なの?」
「……ああ。それこそ、どんな女でも一度アクセルに抱かれれば、普通の男ではとてもではないが満足出来なくなるだろうくらいには」
朝からなんて会話をしてるのやら。
女同士の赤裸々な会話を聞き流しつつ、パンへと手を伸ばすと……
「う、う、う……羨ましい! 妬ましい! アクセル代表……」
VGとは逆の隣に座った男が目に涙すら浮かべて俺の方へと視線を向けていた。
誰だ? と一瞬疑問に思ったが、昨日の歓迎会で見た顔だと思い出す。
そう、確かブリッジスと仲良く話していたのが強く印象に残っているな。
基本的にぶっきらぼうで、人と話すのが苦手そうなブリッジスと仲良く話していたので、強く印象に残っている。
……まぁ、こんな風に涙を流しながら羨ましがられるとは思わなかったが。
「あー……羨ましいなら、男を磨け。そうすれば女が自分を見る目が優しくなるからな。ただでさえ、このマブラヴ世界は男女比が大きく女に偏ってるんだからな」
俺の口から出たのは事実だ。
シャドウミラーがこの世界にやってくるまでの戦いで、多くの男が戦死している。
俺がこの世界に来た時は、既に前線では男の数が足りなくなり、積極的に女の兵士を採用していたのだから。
……逆に言えば、戦場に出るようになって女が強くなったというのもある。
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