第14話 一夜明けて
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ある。西欧財閥にいるが、為すべきことが違い過ぎて基本的に会う事が無いのだ。
そんなレオの妄想の中で組み伏せられかかっている当の本人はそうとは知らず、話題を切り出す。
「確かレオナルド殿は、我が愚弟とは既に何度もお会いした事があると窺いましたが?」
「ええ。英雄さんは大変雄々しく、僅かな時間を共にして大変有意義な時間を過ごさせて頂きました」
「それは重畳。我が愚弟がお役に立てたのならさ――――」
「堅苦しいな、揚羽。幾ら人目があるからってよ、もう少し気を緩ませられねえのか?」
そこへ、何故か九鬼帝が乱入してきた。
「ち、父上!?何故ここに!」
それは驚くだろう。
この式典には九鬼の代表として揚羽が来たのに、総裁である帝が居るのだから。
因みに今回の護衛は序列11位のチェ・ドミンゲス。
理由は違うが、妻の九鬼局と同じように毎回護衛の執事を変えているのだ。
「いやな、この式典に出席しているある1人に急に会いたくなってな。睡眠時間削って急いでやって来たんだが――――久しぶりだなレオナルド君よっ!」
マスコミの様な取材陣が居ない場であるとは言え、社会的地位がトップクラスの九鬼帝としてはTPOにそぐわない言動である。
しかし帝の態と崩した態度と口調は世界中の著名人や重鎮たちの中でも有名で、周囲の紳士淑女(外面)は呆れる事はあっても心の中で嘲笑する者は一応1人もいなかった。
そして当の軽口?を叩かれたレオ本人も、苦笑はしても怒る事も不快な態度を露骨に見せる事も無かった。勿論慣れているからでは無く、歳不相応な程の器量の大きさ故だ。
「帝さんは相変わらずですね」
「まあ、これが俺のスタイルなんでな。それで英雄からどんな話を聞いてたんだよ?」
「聞いたのは幾つもありますが、ボクが興味を惹かれているのは川神学園についてです。かなり独特で賑やかな学園と聞きましたよ」
「まあ、あそこは俺も好きだぜ。年がら年中祭りみたいに退屈が無いって聞いてるからな」
「ふむ。やはり興味深いですね」
『噂には聞いていたが相当なのだな、これだけの面々が話すの内容に出て来る川神学園とは』
「っ!?」
「おや?」
「やっとお出ましか!」
会場は出席者たちの交流の場で悪い言い方として、多くの人の声と言う音が重なり少しばかり騒がしかった。
そんな中でもよく通る声の主が現れた途端、あれだけ会場中が出席者たちの会話で埋め尽くされていたにも拘らず、一瞬で静寂となった。
誰もが意図した事では無い。彼らは自然に声の主に対して畏敬の念を感じたのだ。
そして声の主が歩けば、その人の歩みの邪魔をしまいと、自然と道が出来上がる。
その道を当然のように歩いてレオたちに近づいてくるのは、
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