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衛宮士郎の新たなる道
第14話 一夜明けて
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ば副代表の特性上において本部から動かない方が良いのだが、人類を正しい時代へ修正させるための責任感からトワイスの代理として、世界中を回っている。
 そしてそれは今こうして物思いに耽っている最中にもである。


 −Interlude−


 ここはヨーロッパの某国の式典会場。
 そこには世界各国の出席していた重鎮達が用意されていたパーティー会場で、表面上にこやかに交流していた。
 その会場の一角に周囲の注目を集める二組(と言うか、その内の2人)がいた。
 一組は、九鬼財閥鉄鋼部門統括を任されている九鬼家長女の九鬼揚羽と、専属従者の武田小十郎である。そしてもう一組が西欧財閥の盟主のハーウェイ家現当主の実子であり、次期当主のレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイとハーウェイ家お抱えの護衛の1人だ。

 「初めまして、ハーウェイ家次期当主殿。私は鉄鋼部門の統括を任されている九鬼揚羽です。お好きにお呼び下さい」
 「では九鬼揚羽殿と。私の事も気軽にレオとでもお呼び下さい」

 一見にこやかに自分に挨拶してくるハーウェイ家次期当主のレオに、正直不気味さと恐ろしさを感じる。
 王は様々に高いステータスとカリスマ、そして敗北という経験をして初めて完成するのだが、この少年のPD上敗北はしていない筈だが不思議な事に既に至っている存在感を思わせるのだ。
 その上で自分を前にして威風堂々している現実に、いずれ自分が九鬼財閥を継ぐことが有れば自分はこの未来の少年王に勝てるのかと、顔には出さないが僅かな不安が生まれていた。
 そしてそんな九鬼揚羽を前に一切しり込みせずに堂々としているレオは、本来であれば(・・・・・・)一度も敗北していないので王として完成などしていない。この世界では。
 レオは一度死んでいて転生者であり、以前の世界でも同一人物だった。
 その世界では『月の聖杯戦争』に参加した事で結果的に死ぬことになった。
 それからその時の多くの経験を引き継いで、この世界でまた西欧財閥の盟主ハーウェイ家次期当主のレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイをやり直す事に相成ったのだ。
 しかも引き継いだのは王としての完成された精神だけでなく、無邪気と言う名の暴走感もである。

 (英雄さんのお姉さん・・・。ボクのタイプとは違うけど、組み伏せて屈服させてみたら楽しいだろうなぁ)

 レオのこの顔に似合わない恋愛観や性格はこれでも発展途上。もしこれで悪影響のある地にでも足を踏み出せば、神代・西暦以降でも類を見ない王が誕生する恐れが在る。
 しかしレオのこの無邪気さを知る者は西欧財閥全体は勿論、本家のハーウェイ家の誰も知り得ない事。単に今は曝け出してもいいと言える相手が身近に居ないと言うだけなのだ。
 以前の世界とは違い、ユリウスが身近にいないのも
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