第14話 一夜明けて
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・具体的には?」
画面越しの男とは化かし合いをしても時間の無駄と理解しているので、トワイスははぐらかすような言い回しを寄して訊ねた。
『もしかしたら初めて知るかもしれないが、僕の家も実は魔術師の家系でね。後これは偶然なんだけど、君をマスターピースに引き込んだ御方に十数年前サーヴァントを呼び出し従える権利を貰ったのさ』
「っ!?」
トワイスは幽斎の説明に二重の意味で驚く。何方も初耳だからだ。
そして証拠と言わんばかりに右腕の背広とワイシャツを肘までまくり、腕に刻まれた令呪を見せつける。
『これで信じて貰えたかい?』
「・・・・・・・・・サーヴァントを従える事にはな。しかし自分が魔術師だと名乗り出るのは相応のリスクにもなる筈・・・・・・・・・目的は何だ?」
『もちろん君を含めた世界を愛しているが故の行動―――と言いたいところだが、今回は取引したくてね』
「取引?」
『武士道プランに勝手に乗っかり、私が秘密裏に《暁光計画》を立てた事は知り得ているだろ?』
これは既に武士道プランすらもトワイスが把握していることが前提となっている話。
勿論トワイスは両方とも知っているが、情報源は幽斎本人では無く、別人。
そして幽斎の情報は単なる推測である。マスターピースが使者を使って川神鉄心に手紙を送った内容を勝手に想像して推察したのだ。
だが画面越しの反応とは言え、結果正しかった事を確信する。決して表情には出さずに悟られないようにするが。
「――――つまり口止めか?」
『うん。何れ明かす気はあるが、今はまだその時じゃないからね』
「了解した。だが、口約で信じられないと言うのであれば、使者を送るが?」
『いや、この通話記録だけで構わないよ。それじゃあ、また』
終始笑顔のまま画面内の最上幽斎の顔が消える。
これで取りあえずはと有象無象なら楽観視するところだがトワイスは違う。
直に携帯機器を耳に当て、コズモルインに所属する百足に連絡を取る。
「――――私だが、黒子は戻っているか?」
『まだですねぇ。予定通り帰還は二日後になると思いますよ。――――これはもしかしなくても、川神の騒ぎの件ですかい?』
「理解しているのなら話は速い。帰還していなくとも、連絡が取れ次第私に繋げてくれ」
『了解』
百足に言伝を預けて通信を切る。
そこで力を抜いて、漸く一息淹れられると思いコーヒーを口に運ぶ。
そしていつもと変わらぬ天井を見て、思う。
(何時もであればこの非常時に“彼”に頼むところだが“彼”も今は出払っている)
それは立場上マスターピース本部を動けない自分の代わりに世界中を飛び回り俗事を代わりに熟してくれている副代表の事だ。
本来であれ
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