第14話 一夜明けて
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ライダーの言葉にアヴェンジャーは舌打ちをする。
「フン、それにしても貴様が世界規模の情報操作ができるとは聞いていなかったが?」
「ええ、私も伝えた覚えはありませんね。必要を感じませんでしたから」
「・・・・・・・・・貴様本当に騎兵か?情報操作にこの船の発明、それにオートマタの群れの操作にしろ、魔術師にしか思えない所業だが?」
「我がことながらそれについては同意します。マスターも何故私をライダークラスに当て嵌めたのか、理解しかねていますから」
肩を竦めるライダーにアヴェンジャーは食えない奴だと感じた。
理解しかねると本人は口にしたが、理由についてライダーが理解していないとは到底思えないからだ。
そしてコイツがキャスターでは無くライダーに当て嵌められたのは、恐らく大きな理由があるとアヴェンジャーは踏んでいる。
自分のマスターはこのライダーを客分扱いとして迎え入れて利用している様だが、アヴェンジャーには利用されている様にしか思えなかった。
確かにこのライダーの知識と技術力は今の自分たちにとって必要不可欠である事は認めるが、他の勢力以上にコイツに油断も隙も見せるべきでは無いとアヴェンジャーは感じた。
「ああ、そう言えば言うまでも無いでしょうが、それでも言っておきます」
「何だ?」
「恐らく今回の騒動に貴方達が関わっていると嗅ぎつかれているでしょうから、貴方の嫌いな“彼ら”が恐らく来ますよ」
ライダーの言葉に本日二度目の舌打ちをするアヴェンジャー。
余程気にくわないのか、本日最高に嫌そうに顔を顰める。
そんな彼らと自分の近くの計3体に気にせず、ヒカルは眠り続けている。
ヒカルは夢を見ている。
それは生まれた直後、自身を生んだ母親を死に追いやり、その怒りと自身の醜さから実の父親に「お前は怪物だ」と教え込まれて迷宮に押し込められた悲しい怪物の生前の記憶。
怪物は迷宮の中で腹を空かすと、本人は知らないが生贄と言う形で父親から「それがお前の餌だ」と言い含められて、怯えて逃げる幼気な子供たちを痛めつけては喰い、痛めつけては喰う事を迷宮内で延々と繰り返していた。
そんな非情ともいえる父親が唯一怪物に与えたのは“名前”だった。
この怪物の俗称はミノタウロスだが、与えられたその真名は――――。
−Interlude−
ほぼ同時刻。
マスターピースの現代表、トワイス・H・ピースマンと言えば、執務室で厳しい顔をしていた。
西日本にあるマスターピース日本支部からの報告書を呼んで、今の険しい顔つきになっているのだ。
「・・・・・・・・・・・・」
マスターピースは世界平和を謳いながらも、
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