第14話 一夜明けて
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しかしどれだけ推測を重ねてもあまり意味は無い。
そうして再びテレビに眼を向けた。
(新聞もそうだが、何所も葵紋病院から重病患者の少女の1人の行方が消失した事についてやっていないな)
昨夜のあの後、シーマに遅れて士郎も病院に忍び込んで魔力の発生地を探った所、天谷ヒカルと言う処女の病室からだと言う事が判明したのだ。
しかも本人は病室から出てはいけないと言うのに、行方知れずとなっていた。
しかし各メディアでは彼女について一切触れられていない。
もしこれが故意だとするのなら、情報操作をしたのは騒動を起こしてこの町を害する敵なのかもしれないと、士郎は改めて認識した。
『・・・・・・・・・・・・』
騒動が起きた現地に住んでいるからとは言え、爽やかな朝からテレビなどを真剣な顔で見る士郎の横顔をティーネとリズは何とも言えない面持ちで見ていた。
−Interlude−
同じ頃、川神に近いある水上にてステルスを掛けた状態で待機している物体がある。
その中には昨夜葵紋病院から消えた天谷ヒカルと彼女に召喚されたサーヴァントに復讐者と呼ばれた男、そしてこの物体――――船の開発者であるサーヴァントの計1人と3体が居た。
ただし、ヒカルは未だ眠っている。
そんな彼女の近くに呼び出されたサーヴァントは、仮面の奥の自分の眼でじっとヒカルを見続けている。
何故そのように近づいているかと言えば、この船の主であるサーヴァント――――騎兵から説明と助言を受けたからである。
「・・・・・・・・・・・・」
だがそれだけでは無かった。
興味――――と言うよりも疑問があるのだ。この少女は自分を怖がらないだろうか?自分を前にして拒まないだろうか?と言う不安も。
それを遠巻きで見ているのは残った2人である。
「まあ、当然の反応ですね。彼は生前、死ぬまで怪物の役割を押し付けられてその通りに生きていましたから。どう対応すればいいのか困惑しているのでしょう」
「所為自由の刑・・・・・・と言う奴か」
「貴方は自由を謳歌しすぎでは?」
「如何いう意味だ?」
明らかな含みのある言動にライダーを睨み付ける。
「昨夜の件です。派手にやり過ぎでは?」
「それは貴様だろう?」
「貴方があそこまで周囲を気にせず魔力をまき散らすから、私が出張らなければならなくなったのですよ?」
「市を二つも巻き込む必要が合ったようには思えなかったが?」
「魔術師とサーヴァントがこの町には居たんですから。自分たちの領土を荒らされて黙っている訳がないでしょう?それにこちらは足止めもしたのですから、感謝されこそすれ、抗議を受ける謂れはありませんね」
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