第一章 ハジマリ
第11話 VSジャッジメント――覚醒するソウル
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
! テンマーズ、同点ならず!』
「くそっ!」
悔しがるフェイを嘲るように笑うと、アビスは中盤のデルタにロングパスを放った。
そこを見逃さず、天馬はブロックへと入る。
(よしっ。ここは《スパイラルドロー》で……)
「先ほどの様に行くと思うなよ」
「!」
まるで天馬の心を見透かしたかの様に囁いた直後、デルタは黒い光に全身を包み込む。
光が弾け、そこから姿を現したのは一匹の巨大な《黒い豹》だった。
「!? ソウルまで……?!」
ソウルを発動したデルタは、脅威的なスピードで天馬を――そしてブロックに入った他のメンバーを切り裂くように突破していく。
『ソウル《クロヒョウ》を発動したデルタ選手! 凄まじいスピードでテンマーズ陣内へ切り込んでいきますっ!!』
「くそっ…! 早すぎてデュプリの操作が追い付かないっ……!」
「こんな攻撃くらいでバテちゃうなんて……しょせん、そこが君達"人間"の限界って事だったんだよ」
焦りの表情を見せながらそう言葉を発するフェイを、カオスは馬鹿にする様に笑っている。
――? “人間”……?
不意に天馬の中である疑問が浮かんだ。
――もしかして、カオスは“人間”では無いのか……?
今までのカオスの発言や行動を振り返ってみると、明らかに常人とは考えられない様なシロモノばかりだ。
特にジャッジメントのメンバーを生み出した時の行動。
アレほどの怪我と出血をしながら、今彼はピンピンしている。
――でも…人では無いとしたら一体何だ……?
「カオス様っ!」
「!」
そんな事を考え始めた所で、天馬は我に返る。
目の前ではパスを受け取ったカオスが猛スピードでゴールに向かって走っていた。
――マズイ……っ
咄嗟に守備に回ろうと走り出す、が。
「カオス様の邪魔はさせない」
「! っ……」
目の前に現れた二人の選手に行く手を阻まれ、身動きが取れない。
こうしている間にも、カオスはどんどんゴールへと近づいていく。
デュプリ達も必死にカオスを止めようと動くが、次々に吹き飛ばされ倒れてしまっている。
グラウンドの反対方向を見ると、フェイも同じ様に二人の選手にマークされてしまい、動けないでいた。
「くそっ……!」
どうにか、抜け出せないモノかと動いて見るが、二人の選手がピッタリと張り付き、一瞬の隙も見せない。
ふと、天馬の視界にカオスの前に立ちふさがるアステリの姿が映った。
アステリはカオスからボールを奪おうと食らい付くが、実力の違いからか簡単に吹き飛ばされ、突破されてしまう。
自然とアステリの身体に、吹き飛ばされた時に負ったであろう傷が増えていく。
――このままじゃ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ