ピンチな姉
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きた上に視線を向けるが、開かれた窓枠が見えるばかりでそれは静かなものだ・・・って、えっ、まずい!自信を持って言えるけど、十中八九、ノエルはあたしを追って階下に降りてきている!あの具合が悪いのにあたしを探して村の入り口にまで迎えに来るような優しいあの子だったら、普通は不安げな顔を窓から覗かせるぐらいはするはず。それがないってことは・・・ヤバイヤバイヤバイ絶対に降りてきている。ここに来てしまう!
敵がいるここに!
「どぅりゃ!」
あたしはもしノエルが来た時のことを考えて、咄嗟に、動けないようにアムを拘束しようと勢いよく押しつぶした。
「おい!?」
珍しく焦ったようなアムの声がするが、あたしはいつノエルが登場するかというハラハラでそれどころではない。
というかアムの上という無理な体勢から拘束しようとしたから、拘束と言うよりはただ抱きついているだけのような・・・ん、ちょっと待って。これ客観的に見たらあたし痴女的な結構あられもない格好なんじゃ・・・?
「離れろ!」
いやもう客観的とかこの際どーでもいいわ!ノエルを守るのが最優先!あたしは身動きするアムに更に強く抱きつく。
そんなことをしていると、背後が何だか騒がしくなってきた。え、まさかノエルが来たんじゃ・・・。ま、まままままままずい。どうにかしなきゃ。どうにかして一刻も早くコイツをここから離さなきゃ・・・。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!ヘーイ!ヘイ、タクシー!」
突如あたしは大声で叫んで指を指した。方向なんてモチロン適当だ。しかし都合よく、指さした先にガラガラと馬車が止まった!
「ああーっ!ほら!ほらぁああああ!!」
何が「ほら」なのかはわからないが、あたしはぶんぶんと激しく腕を振った。
「は?」
アムの顔には明らかに『ついにこの女頭がおかしくなったのか』と書いてある。
「はやく!」
「はぁ?」
「はやく!乗らないと!急いで!はやく!」
あたしはアムの腕を引いて無理矢理立たせると、ろくに立ち上がりきっていないアムをドドスコスコと張り手の容量で突きとばしながら馬車へ押しやった。デイン!デイン!とつんのめってるその尻を押す。
「やァめろ!」
「あんたがさっさと歩かないから押してあげてるのに!」
尻をね。
「なんっ・・・なんだおまえは!突如人の上に落ちてきたかと思えば抱きつくし、遠慮無く小突き回しやがって!」
「オッケーオッケー!大丈夫大丈夫!平
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