344部分:第四十七話 北の大地その二
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第四十七話 北の大地その二
「ではこちらに」
「うむ」
カミュが店員に案内されその後に他の者達がついて行く。店の中はかなり豪奢なものでそれこそ宮殿を思わせる。そのレストランの廊下を進んでいくのであった。
店の奥はとりわけ豪奢な部屋であった。まるで屋敷の主のそれのように。七人はその中央にある大きな黒檀でできたこれまた豪奢なテーブルに座るのだった。
そのうえで運ばれてきたのはジャガイモの料理に羊肉を焼いたもの、それにクレープを使ったものにきのこの酢漬けサラダ、それとボルシチにピロシキであった。デザートはフランス風のケーキでありワインも同時に出されている豪勢なものであった。
「あれ、クレープですか?」
「それも蕎麦粉ですよね、これ」
「そうだ」
カミュが青銅の者達の言葉に答えた。
「クレープは本来は蕎麦粉で作られるのは知っているな」
「ええ、それはまあ」
「知っています」
それは青銅の者達も知っていた。これは知っているのだった。
「本格的なものはそうでしたね」
「フランスでも」
「ロシア料理はフランス料理の影響を強く受けている」
カミュはここでロシア料理についても話すのだった。
「フランス料理も同じだがな」
「ああ、そうですね」
バベルがここで気付いて言うのだった。
「ロシアは西欧文化をフランスから学びましたし」
「ピョートル大帝だったな」
オルフェが彼に応える。
「確か」
「そうだ。そしてロシアの一品ずつ出すことをフランス料理も取り入れた」
「フランスとロシアの縁は深い」
また言うカミュだった。
「長い間同盟関係にあったからな」
「今もですよね」
「結構仲いいですよね、フランスとソ連」
この両国の関係は比較的良好であったのだ。フランスはドイツやイギリスと対抗する為にロシアの力を必要としてロシアもまた同じだったのだ。また同じ様な理由でロシアはオーストリアとも長い間友好関係にあった。この関係もかなり深いものがあったりする。
「それでですか」
「クレープも」
「このクレープはブリヌイという」
カミュはそのクレープを見て述べた。
「これはな」
「そうですか。ブリヌイっていうんですね」
「何か一気にロシア風になりましたね」
名前からであった。名前もまた料理を作るのだった。
「その名前を聞くと」
「じゃあこのサラダは」
「グリブイ=マリナートだ」
カミュはその茸の酢漬けサラダの名前も述べたのだった。
「茸はロシアで比較的よく食べられる」
「それで茸なんですね」
「成程」
「それで後はボルシチにピロシキに」
「ジャガイモですか」
「それと肉は羊」
それがここにある料理なのだった。
「何か一気に出してきてますね」
「デザートまで」
そ
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