第2章:異分子の排除
第36話「事件が終わって」
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るのは、犠牲になった父親がなぜここにいるのか?...だよね?」
「っ....不謹慎ですけど...はい。」
申し訳なさそうにしながら束の言葉を肯定するシャル。
「まぁ、単純に答えるとしたら、私たちが助けたから...だね。」
「....なんとなく、想像はついてましたけど...。」
あっさりと告げられた真実に、驚く事もなくすんなり受け入れるシャル。
既にデタラメっぷりは何度も味わっているので、感覚がマヒしてきたようだ。
「これでも結構苦労したんだよー?潰れる寸前の会社の社長を引き抜くなんてさ。いくら立場が危うい状態とはいえ、それでも社長。容易に引き抜くどころか、その行為すらできないはずなんだよ?」
「...それでも、貴女方はやってのけた。」
「ちょっとした裏技だけどね。」
なお、その裏技とは、真実を偽装する事である。
“ハインリヒ・デュノア”という人物は、世間上では刑務所行きに偽装されているのだ。
「諸事情があってもう“デュノア”とは名乗れないけど...いいね?」
「元々助からないはずだったんだ。それぐらい、私はいい。」
「お父さんがいいのなら、ボクも...。」
未練はないと二人は言い、それに束は満足そうに頷く。
「じゃあ、これからは“ローラン”だね。」
「っ、それって...!」
「リリアーヌの...!」
新たに決められた姓に、シャルとハインリヒは驚く。
「そうだよ。君の母親の名前。....その方が、二人もいいでしょ?」
「お母さんの...。」
今は亡き母の姓を名乗れる事に、シャルはどこか感慨深いものを感じた。
「しかし...リリアーヌの事まで...。」
「デュノア社を色々調べれた時点でそこまで驚く事じゃないでしょ?」
「そ、そうだが...。」
ハインリヒの方は、身内関連の事が色々知られていて、何とも言えなさそうだった。
「じゃ、そういう事で、これから二人にはこの会社に入ってもらうね?...って言っても事後承諾なんだけどさ。」
「既に入れられてる!?」
「どうせ行く当てがないんだからそっちの方がいいでしょ?」
事もなさげに言う束に、二人は段々疲れてきていた。
「君にはうちでテストパイロットでもしてもらおうかな?一応、被害者としていたから代表候補生の称号は剥奪されてないし。」
「そういえば...。」
「それで、ハインリヒさんには事務的な部分を手伝ってもらうよ。ちょっとそっち方面の人手が今足りなくてね。それに、社長をやってたし管理は得意でしょ?」
「まぁ...それなりには。」
“それじゃあ”と、束は手を叩き、話を切り上げる。
「早速動いてもら
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