暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第36話「事件が終わって」
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「社長、よろしいですか?ドクターから一つ申請が...。」

 ノックの後、扉越しに女性の声が聞こえる。
 しかし、それに対応している暇は束達にはなく...。

「自重してって伝えて!ごめんうーちゃん!」

「分かりました。...失礼します。」

 門前払いかのようにキャンセルする束。
 そして、却下された“うーちゃん”ことジェイルの娘であるウーノは大人しく引き下がる。
 さすがにウーノも状況は分かっているので食い下がりはしなかった。

「あ、そうだ。うーちゃん!そっちから何人か寄越して!手伝ってくれたら改めて聞くってスカさんに伝えて!」

「分かりました。」

 凄まじいスピードで書類の山を片付けつつ、束はウーノにそういう。
 スコールやオータムもいるが、彼女達も彼女達で仕事があるようだ。

「束様。そろそろ...。」

「あっ、そうだったね。...うー、これを放置するのはアレだけど...。」

 時間を確認したクロエが束にそういう。
 どうやら、何かあるようだ。

「行ってください。幸い、まだこれらに関しての時間はあります。」

「うーん...彼らを安心させる方が先...か。うん、任せたよくーちゃん!」

 そう言って束は一度書類をクロエに任せ、急いである場所に向かった。





「.......。」

 応接間のある一室。そこにシャルロット・デュノアはいた。

「(ここで待っててって言われたけど...誰も来ないと不安だなぁ...。)」

 自分の立場が結構危うい状況なのもあり、シャル不安で仕方がなかった。
 そこへ、いきなり扉が開く。

「ごめん!待たせちゃった!?」

「っ!?...あ、えっと、大丈夫で....っ!?」

 シャルはいきなり入ってきた事と、その人物が束な事に連続で驚く。

「し、篠ノ之博士!?あれ、ここに来るのは社長だって...。」

「私がその社長だよ。普段のあれは偽名と変装って事。」

「あ.....。」

 “そういう事か”と、色々な事で驚き続けていたシャルは納得する。

「...だから桜さんはあの時...。」

「ちなみに会社じゃなくても私一人で潰せたよー?」

「.........。」

 やはり天災は規格外だと、シャルは思わざるを得なかった。

「それでまぁ、君にはうちの会社に入ってもらうんだけどね...そこでいくつか説明があるの。」

「いつの間に入る事になってるのか気になるんですけど...。」

「そこはほら、ちょちょいっと。君の父親の助力もあったしね。」

 それでも普通は本人が気づかないままなのはおかしいと、シャルは思った。

「...って、お父さんが...?
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