第12話 誰の為に僕は動く?
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存在と、花陽は話す。
そんなことは無い。花陽だって絶対彼女たちと同じように輝くことができるはずだ。
園田先輩...あの方もどちらかというと花陽のように人前に立つことが苦手としている先輩で、だけどその苦手なところよりも支えてくれる仲間がいるから頑張ろうとしているのが僕には伝わる。
つまり、花陽にも支えてくれる仲間が必要なんじゃないのかな?
その子は...
「ん?なにかにゃ?」
僕はちらりと視線を凛に移し、その視線が凛と合う。
「いや、なんでもないよ」と、話を切ってからもう一度考える。
...いいや、凛はきっと快諾してくれないだろう。
「まぁ...僕は無理強いしない。本音は、花陽ちゃんにも、凛ちゃんにもスクールアイドルをやって欲しいな。単に二人フリフリの衣装着て踊ってる姿を見てみたいっていう僕の我がままなんだけどね」
「え?えい、りんも?」
「うん。凛ちゃんも」
「りんは......」
その先の言葉を発することは無かった。
知ってる。だから僕はすぐに話題を切り替える。
「まぁ...明後日は先輩の初めてのライブ。僕は音ノ木坂の生徒じゃないから見に行くことはできないけども心で応援しているから。二人は...見に行ってみたら?きっと楽しめるよ」
「え?春人くんは来てくれないの?」
「無理だよ...女子高に僕が入るなんて警備員や先生方に見つかったら怒られるですまないような気がするんだ」
「春くん犯罪者になるのかにゃ?なったらりん、幻滅するにゃ」
「そ、それは...とにかく、行かなきゃいいんだよ。うん」
気が付けば、いつもの交差点。
僕と花陽、凛が分かれる交差点で立ち止まってお互いに顔を見合わせる。
「でも、春人くん」
「え?」
「私、副会長さんからこういうものを預かっているんだけど」
「...これは?」
花陽から渡されたものは黄色の腕章。
なんとなく風紀委員が腕につけていようなシーンを思い浮かべてしまった。
でも、どうしてこんなものを花陽は受け取ったんだろうか...?
「入校許可証だって...」
「......へ?」
思わず僕は、素っ頓狂な声を上げてしまった。
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