第12話 誰の為に僕は動く?
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
.....?’s、ファーストライブ2日前。
音ノ木坂にもスクールアイドルなるものが誕生し、学校のどこにいてもその話題で持ちきりだ。誰が始めたのか、いつライブが催されるのか、どこでやるのか。
それが本当に興味あっての話なのか、或いは単に流行りに合わせてノッただけの話なのかはさておいて。先輩の努力が多少効果が出始めている。
いい傾向だと思う、うん。強いていうならそのままライブに足を運んで欲しいという願いもあるけれど、そこまでトントン拍子に事が運ばないことを僕は知っているからあくまで願いまでに留めておく。
ストロー。
僕はコップに差したそれを取って、くるくると手で遊びながら何も考えずにひたすら暇を持て余す。
何事も無く、ただ時間が流れるだけ。携帯ゲームでもしようとRPGアプリを開くも、飽きっぽい僕はすぐに閉じてはまたストローで遊んでいる。
「あ、いたいた」
背後から聞き慣れた女の子の声がして、僕はストローから目を離して振り向く。
「やっほー春くん!」
「待ってたよ凛ちゃん、花陽ちゃん......それに」
僕は手を振る凛、花陽......そして花陽の背後にいる紫髪の女性に目を向けてから、『どういう状況?』の意味を込めた眼差しを花陽に送る。
「あ〜。うん、えっとね──」
「それはウチが話すわ」
───東條希という音ノ木坂の副会長
そんな人がどうして僕らの待ち合わせにやって来たのか僕はまだ知らないんです。
───第12話 誰の為に僕は動く? ───
......何故副会長がここに?
当然のように僕は疑問に思った。だって、副会長と出会ったのはほんの数週間前だし、しかも出会いはあの神社で1度きり。そこそこの会話はあったけど僕らの待ち合わせに現われる程ではない、と思う。
追い返すつもりは全く無いけど、やはり首をかしげてしまう。
「お久しぶりやんなぁ、高橋君」
「お、お久しぶりです東條先輩」
「ふふ、えりちと同じようにウチのこともそう堅苦しく呼ばなくてもええんよ?」
「え?は、はぁ......」
前に会った時のようにフレンドリーに話し、同じように関西弁を披露してニコニコ笑顔を絶やすことなく話す。対して僕は気のない返事しか出来なかった。
「ごめんね春人くん。急に......」
「大丈夫だよ花陽ちゃん。ちょっとビックリしたけどね。東條先輩が来るとは予想できなかったから」
「む?それは失礼とちゃうん?」
「え、あ、いや。そんなつもりは...」
冗談か本気かわからない、だけど東條先輩はぷくりと頬を膨らませて僕を見ているので申し
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ