暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・トラベル・ポケモン世界
15話目 漆黒の者(後)
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るため、体力の供給量に限界がない。
 まさに永久機関である。
 さらに、巨大生花フシギバナの“ギガドレイン”だけでなく、緑液体ランクルスから強力な“サイコキネシス”が飛んでくるため、グレイ側はダメージがたまっていく一方である。
 ラッキーにも回復技“タマゴうみ”があるが、敵側の“ギガドレイン”と“サイコキネシス”のダメージに対して回復が追いつかない。
(このままじゃ、いずれこっちの体力が尽きる……なんとかしないと)
 状況を見たグレイは、そう思った。

 ポケモンバトルではなく、例えポケモンを用いた武力行使であったとしても、戦い方はその者の性質を表す。
 ライフ団。命を名乗る者たち。
 味方から体力を貰いながら、敵から体力を奪いながら、時に自分で体力を回復しながら、自らを永らえさせる。
 異常な程の生への執着。命の永久機関。その戦い方がライフ団の性質を表している。
 命を名乗る彼らは、他人に命を与える者ではない。彼らは、自分の命を得るために努力し、他人の命の力を奪う者である。

 グレイは、敵の体力供給機の破壊、つまり緑液体ランクルスと2体の五芒星スターミーの撃破を目指すことを決心した。
 巨大生花フシギバナを直接破れない事が分かった以上、供給機から破壊するしかない。不安な要素が多いが、グレイには他に選択肢が無かった。
 もし供給機の破壊もできないならば、そもそもこの状況の時点で既に詰んでいた。という話である。
「姐さん、悪いが1人でフシギバナを抑えてくれないか?」
 グレイの問いかけに対し、ラッキーから決意の表情が返ってきた。
「よし! KK! あっちの奴らに突撃!」
 グレイは五芒星スターミーたちの方を指さして指示した。
 ギャラドスは勢いよく、五芒星スターミーたちに向かっていった。
 ライフ団のアークは、ギャラドスを阻止しようと指示を出す。
「フシギバナ! まずはそのラッキーをどうにかしろ! “ねむりごな”だ!」
「姐さん! “うたう”」
 両者とも、相手を眠らせる技を放つ。
 ラッキーと巨大生花フシギバナは、共に眠ってしまった。
 敵の緑液体ランクルスは、向かってくるギャラドスに攻撃対象を移した為、眠っている両者を攻撃する者は存在しない。つまり外部から起こす者がいないのである。
(誰にも攻撃されないんだから、お互い目覚めるまで時間がかかるだろ)
 そう思ったグレイは、ギャラドスに指示することにした。
「KK! “あまごい”」
 “あまごい”は、天候を雨に変える技である。
 直接の破壊力が無い技は、ギャラドスが嫌う技である。しかし、移動中でやる事がないギャラドスはグレイの指示を実行した。
 ギャラドスの“あまごい”が発動し、辺りに急激に雲が発生し、局地的な雨が降り始めた。ちょうどそのタイミ
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