15話目 漆黒の者(後)
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はトレーナーなんだろう? 頼む! 一時的でもいいから、あいつらを止めてくれんか? 私たちの活動にラッキーは必要不可欠な存在なんだ。ラッキーを失う訳にはいかないんだ」
「分かりました。飯と寝床の恩がありますしね」
グレイは、ゼンの願いを聞き入れた。
トレーナーとは言え、この危険な場面を子供に任せることに対して、ゼンは心苦しく思った。
しかし、ゼンには他に方法が思いつかなかったのだ。
「私は警察と連絡を取る。応援が来るまで、何とか頼むよグレイくん!」
そう言って、ゼンはラッキーと共に施設の建物に入った。
「施設長殿。現在この地域では、ライフ団を名乗る者が森を破壊しており、そちらの対応に追われている。そのライフ団を名乗る者は、治安組織のトレーナーでも鎮圧できないほどに強いポケモンを連れていて、そちらの応援に人員を割いている。直ぐの対応はできない!」
警察に応援を要請したゼンだが、警察の応答はそのようなものであった。
焦るゼンだが、後ろからラッキーの鳴き声が投げかけられた事で我に返る。
ゼンの後ろにいるラッキーは、先ほどからゼンと一緒にいる『姐さん』と呼ばれている個体である。
ラッキーは、ゼンと視線を合わせた後、施設の入り口の方向――現在、戦闘が繰り広げられているであろう場所――に向かって走りだした。
「姐さん! どこに行くつもりだ!?」
ゼンは慌てて追いかけた。
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グレイは、突然の状況変化に驚いていた。
敵の黒犬ヘルガーが、ビビヨンに向かって強力な炎タイプの技“れんごく”を放った。しかし、突然に現れたラッキーがビビヨンと黒犬ヘルガーとの間に割って入り、“れんごく”を受け止めたのだ。
苦しそうな表情をするラッキーだが、次の瞬間、強く輝く不思議な光を放ち、黒犬ヘルガーを弾き跳ばした。
驚いたグレイだが、即座に冷静になって周りを見渡し、
「“たきのぼり”だ!!」
そう叫びながら、敵の黒犬ヘルガーを指でさした。
一瞬前までは眠っていたギャラドスは、弾き跳ばされて空中を舞っている黒犬ヘルガーに向かい、水をまとって全力で突っ込んだ。
巨大生花フシギバナは黒犬ヘルガーの盾になろうとするが、ビビヨンとラッキーに攻撃されて足止めされた。
ギャラドスの“たきのぼり”が、黒犬ヘルガーに直撃した。
水タイプの攻撃技“たきのぼり”は、炎タイプをもつ黒犬ヘルガーに効果抜群である。
攻撃面では非常に強い力をもつが防御面では弱い黒犬ヘルガーは、ギャラドスの“たきのぼり”を受けたことで大きなダメージを負い、遠くへ吹っ飛んだ。
ライフ団のアークが声をあげて指示する。
「ランクルス! ギ
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