覚醒はいつも唐突に来るけど、それを支える土台があってこそ
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ま、まだだ、こんな所で私の夢が潰えるはずがない!!」
バルパーがフリードの死体に駆け寄り、その死体に腕を突き刺して宝石らしきものを取り出す。おそらくはあれが聖剣を扱うために必要な因子を抽出した物なのだろう。たぶん、僕と一緒にいた皆の物だ。それをバルパーは自分の体内に取り込みエクスカリバーを構える。以外にも構えが様になっている。聖剣を振るう自分を夢見ていたのは本当なのだろう。だけど、そのために多くのものを死に追いやったのは許されることではない。今日ここで、全てに決着をつける。剣を逆手に握り、腰を捻って落として構える。大地斬、海波斬、空裂斬の全てを同時に放つ準備をする。
「エクスカリバーの錆になれ!!」
「今までの僕の人生の全てをこの一撃に!!アバン流刀殺法、アバンストラッシュ!!」
全身毎バルパーに突っ込み、放ったアバンストラッシュはエクスカリバーを叩き切り、バルパーの身体も真っ二つにする。
「こんな、はず、では」
崩れ落ちたバルパーから聖剣を扱うために必要な因子の結晶が転がり出たそれを拾い上げる。
「皆、全部終わったよ。皆が逃してくれた僕はここまで強くなれた。あとは、ゼオンに仕返しをしてやらないとね。これからは傍で見守っていて」
コカビエルたちの方を見ると、ちょうどケルベロスよりも大量に呼び出されたオルトロスが呼び出されていたところだ。
「禁手化、炎精傭兵団!!」
炎精傭兵団と共に駆け出す。もう剣に迷いはない。
ケルベロスを相手に日本刀の形に固定した擬態の聖剣で対峙する。牽制として自分で鍛冶を行って作った小刀を投げつけたり、目や前足の腱を狙って擬態の聖剣を振るう。時間さえ稼げばゼノヴィアがすぐに駆けつけてくれると思っていた。だから、背後から迫るそれに気が付かず、転ばされて擬態の聖剣を手放してしまう。獣の唸り声から誰かが相手をしていたケルベロスがこっちに来たのかと思ったけど、すぐに立ち上がって背後を確認するとケルベロスに似ているけど、頭が一つ足りないオルトロスが何匹も現れていた。そして、一斉に飛びかかろうとした瞬間、銀の槍が投擲され、一匹を仕留めた。
「ぼさっとしてんじゃねえ!!今のお前を見たらレイナのやつが呆れるぞ!!」
声がした方に振り向けば、素手でケルベロスとオルトロスを相手にするハムリオが叫んでいた。
「そいつはレイナの聖銀と、オレの魔銀が混ざった紲の銀。今だけは貸してやる。だから戦え!!最低でも生き残れ!!レイナが悲しむぞ!!」
レイナお姉さまから聞いたことがある。本当に互いを思いやる二人の銀術士がいて初めて使える無属性魔法に近い銀術唯一の攻撃魔法。それが紲の銀。そしてその魔力に触れた銀が普通の銀でも聖銀でも魔銀でもない全く別の銀とな
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