覚醒はいつも唐突に来るけど、それを支える土台があってこそ
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の為に慈悲の心を持って君達には贄になってもらったのだよ」
「慈悲の心だって?」
「そうさ。私だって協力してくれた者達に苦しんでほしくはなかった。だから高価な即効性の致死毒ガスを使ったのだよ。それを慈悲と言わずに何と言う」
その言葉に愕然とした。バルパーは悪びれてもいない。本心から殺したことを悪く思っていない。まるで子供が虫をバラバラにするような、そんな感覚で僕達を殺した。これは純粋さがもたらした邪悪。悪意に敏感なはずの子供だった僕達が不審に思わなかった、むしろ仲間だとすら感じていた理由。そしてその邪悪をフリードからも感じる。
「フリード、君は何のために剣を取る」
「ああん?そんなの楽しいからに決まってるでしょうが。不浄で邪魔で堕落した存在、それに頼るクズ、み〜んな纏めて斬ってバラして解体して、そ〜んな楽しいことを好きにやっていいって言われたから面倒なお祈りとかやってたってのに、やりすぎだなんだで、エクソシストの資格を剥奪するなんて言うから、バラバラにしてやったのよ。そうしたら獲物が増えてハッピーなことになってるんですよ。そんでもってバルパーの爺さんから新しい聖剣をくれるって言うからきてやったんですよ」
やはりフリードも同じだった。こんな邪悪がこの世に存在していたなんて。ゼオンはこれを知っていた?
「時間だ。4本のエクスカリバーが一つになる」
魔法陣の中でエクスカリバーが一つになり、それをフリードが握る。エクスカリバーに、皆の敵であるバルパーの目の前に立っているのに、もう怒りが湧いてこない。ただ、ここで邪悪を絶つことしか心にはなかった。
「フリードよ、慈悲の心で苦しまぬように葬ってやれ」
「あいよ。へへへ、パワーアップしたエクスカリバーの試し切りだ!!」
フリードが走り出すと同時に、魔剣創造で頑丈な剣を作り出して、正面から切りかかってきたフリードのエクスカリバーを受け止める。
「これぐらいはやってもらわないとな。それじゃあ、ここからがエクスカリバーの力だ!!」
フリードが先程よりも速いスピードで離れ、姿が消える。そして背後から切りかかってくるのを振り返らずに剣で防ぐ。防がれたことに驚いているうちに振り返り、更に連撃を弾いていく。また距離を離して、今度は跳躍して切りかかってくるのに合わせて、剣に闘気を集中させる。本当の邪悪を理解した僕にならできるはずの技を放つ。
「アバン流刀殺法、空裂斬!!」
剣を振り抜いて飛んでいった闘気がフリードの心臓を的確に貫き、姿を表して地面に落ちる。
「出来た、空裂斬が」
これで地を斬り、海を斬り、空を斬り、全てを斬り裂く最強剣技が完璧に使える。
「バルパー神父、もう終わりだ」
「
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