338部分:第四十六話 第五の戦場その三
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第四十六話 第五の戦場その三
「この店のフラメンコはあれみたいだぜ。セヴィーリアかどっかのだな」
「そうだな。セヴィーリアのだ」
それももうわかっているシュラであった。
「この音楽は。そして店の味もだ」
「セヴィーリアですか」
アフロディーテはセヴィーリアと聞いてその街の名を言葉に出した。
「あの港町ですね」
「セヴィーリアでも暮らしたことがある」
シュラはこんなことも言った。
「だから。この店の味も気に入っている」
「そういうことか。それではだ」
「うむ」
シュラは今度はアルデバランの言葉に頷いた。
「食べるとするか」
「そうしよう」
既にスペイン風の石焼きステーキや茸や野菜も入った鶏肉のパエリア、それに生ハムに小海老のガーリック炒め、トマトをふんだんに入れたサラダ等がテーブルを埋めている。そしてワインは当然ながらスペインの赤ワインであった。彼等はそういったスペインの御馳走を次々に食べていくのであった。
その御馳走を食べながらシャカがカミュに声をかけてきた。
「カミュ」
「うむ」
「貴方の相手であるベリアルのレダですが」
「狂闘士の中で最も強大な炎を使う男だったな」
「それだけではありません」
だがシャカはそれだけではないとも言うのであった。
「それだけでは」
「というと」
「はい。あの男の武器は炎だけではありません」
それだけではないというのだった。
「その奸智もまた有名なのです」
「奸智か」
「彼が司るベリアルは魔神の中で最も堕落していると言われた者」
そうだというのである。
「その彼に対して迂闊な行動はできません」
「そこを付け込まれるか」
「それだけではありません」
シャカは目を閉じたままワイングラスを口に近付けその中にある赤ワインを飲んでいる。そうして飲みながらまた語るのであった。
「彼は罠を仕掛けることも得意です」
「罠もか」
「その力も強大ですか奸智も恐るべきものです」
このことを強く言うのであった。
「ですから御気をつけて」
「心得ておく」
カミュはシャカのその言葉に対して頷いたのだった。
「そのことはな」
「そうして頂けると何よりです」
シャカもカミュが己の言葉を受けてくれたと見て述べるのだった。
「くれぐれも御気をつけて」
「しかしよ。ベリアルだったよな」
「そうだ」
「そのベリアルです」
シュラとアフロディーテがデスマスクの言葉に応える。彼等もパエリアやステーキを食べそのうえでワインを飲みながら話をしていた。
「そのベリアルがどうかしたのか」
「何かありますか」
「あいつの姿は天使だったけれどな」
デスマスクが言うのはこのことだった。ベリアルの姿は燃え上がる戦車に乗った天使なのである。それ
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