第二十九話 巻き返し
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は。
「もうっ!!!お姉様のバカ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
と叫びながら駆けだしていった。
「え?あ、ひ、比叡?比叡!?比叡〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
だあっと駆け去っていく妹の背中に金剛はあたふたしながら叫び続けるだけだった。
* * * * *
翌日――。
特務艦隊会議室が比叡たちの作戦計画を検討するためにあてがわれた場所だった。そこで比叡たちは偵察任務の航路などの検討を行っていた。
比叡はなれない旗艦の仕事に戸惑っていたが、長門のよこした一つの特命にも戸惑っていた。
「今作戦についての詳細は私とお前たち以外には一切漏らすことはするな。いいな?」
お茶会からまっしぐらに帰ってきた比叡が金剛三姉妹に話してしまったことを長門に正直に話すと、長門は一瞬顔を苦くしたが、すぐに言葉をつづけた。
「偵察についての詳細はしゃべっていないな?ならば今後は徹底的に厳守するように。」
比叡は内心首を傾げながらも従う旨を述べたが、このことを飛龍と紀伊に話をすると二人とも顔を曇らせた。
「かん口令、かな。」
「それをする理由が私にはわかりません。万が一にも万が一ということでしょうか?」
「今回の偵察については、ミッドウェー攻略の準備作戦ですから、上層部も慎重になっているということだと思いますけれど・・・・。」
比叡はそう言ったが、何か引っかかるものを覚えていた。
「ま、詮索しても仕方ないよね。比叡、ミッドウェーまでのコースをどう設定する?」
比叡は広大な太平洋上の海図に身を乗り出した。
「この地図は?」
と、紀伊。
「古い記録と私たちの前世の記憶から作り上げた海図ですよ。」
比叡が顔を上げた。
「この世界と前世とはほぼ同じ配置なの。実際に行ったことはないけれど、この太平洋上には島々は少ないから、目標を間違えることはないと思うな。じゃあ比叡作戦目的の確認を。」
比叡は皆を見まわした。
「あ、その、ええと〜〜・・・・。」
「ほら、旗艦なんだからしっかりしないと。」
「わ、わかってます!」
比叡は上ずった声で返事したが、すぐに顔色を引き締めた。
「今回の目標はミッドウェー諸島の視認とそこまでの航路の設定です。交戦は絶対に不要。偵察に徹します。」
きっぱりとした口ぶりに、川内、吹雪、清霜は口を引き結んでうなずき、紀伊と飛龍は顔を見合わせてうなずき合った。
「出立は本日夕方0600。それまでは各自自由行動で。ただし、他の艦娘との接触は禁止します。」
『はい!』
いったん長門に報告するという比叡と、下の階で軽い食事をとるという川内たち3人が出ていった後、紀伊と飛龍だけが残った。飛龍は持ってきた荷物から一冊の本、そしてノートを取り出して何やら書き始めている。
紀伊は初めてタッグを組むこの前世の第二航空
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