暁 〜小説投稿サイト〜
艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第二十九話 巻き返し
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の奮闘で――。」
長門が一瞬顔をひきつらせた。古傷が痛んだのか、それとも綾波のことをまた思いだしたのか。
「物資の確保はできた。だが、いつまた敵が襲来してくるかはわからない。赤城の言った通りもう時間がないのだ。」
艦娘たちもこれは承知していることだった。既に軍令部にも葵がかけあって赤城の作戦を裁可するように話は進んでいる。太平洋を縦断してのミッドウェー攻略作戦はまさに無謀と言えるかもしれない。だが、そもそも太平洋上には艦隊根拠地にたる島は少なく、特にミッドウェーまでの途上においては島自体も数えるほどだ。これを攻略すること自体、時間と資材の浪費と言えたし、第一広い洋上は陸上と違い、マスを塗りつぶすように攻略するなどということはできない。
「赤城の提案を裁可するということではもう異論はない。だが、ミッドウェーまでの道のりは遠く、かつ我々も航路は不案内だ。そこで偵察部隊を派遣し、航路特定及び敵情の偵察を行ってもらいたい。お前たちを呼んだのはそのためだ。」
紀伊は集まった顔ぶれを見た。川内、比叡、吹雪、清霜、そして飛龍。この組み合わせは紀伊にとって初めてだった。
「艦隊指揮官は比叡、お前を任命する。」
「ひえっ!?私、ですか?!」
比叡がたじたじとなった。
「そうだ。」
「ですが、偵察でしたら偵察機がカギでしょう?それなら飛龍さん、紀伊さん、川内さんの方がずっと適任だと思います。」
長門は嘆息した。
「お前も金剛型戦艦の2番艦なのだ。いつまでも姉のそばにいるわけにはいかんのだし、もう少し艦隊指揮官たる自覚をもって欲しい。今回の任務はそれを兼ねている。」
「それ、平時の任務にしてくれたらよかったのに・・・・。いきなり重要な任務で旗艦なんて、重荷すぎますよ。」
「大丈夫ですよ。比叡さん。」
飛龍が言った。
「私たちもサポートします。それに今回は偵察ですし、大規模な戦闘は想定していません。そうでしょう?長門さん。」
「あぁ。」
「私も及ばずながらサポートさせていただきます。」
紀伊も言った。
「私たちも!」
川内、吹雪、清霜もそう言ったので、比叡は浮かぬ顔ながら最後には承知した。


「・・・・というわけで、私が旗艦を務めることに・・・・って、え!?。」
比叡が愕然となった。うなだれる比叡をしり目に金剛三姉妹は大喜びだったからだ。
「Wow!!比叡、congratulationね!!」
「さすがお姉様!!ついに旗艦の座をお射止めになられたんですね!」
「お姉様、これから艦隊旗艦として頑張ってくださいね!」
「・・・・・・・。」
あまりのことに比叡は呆然となってしまっている。自分が思っていたのとは全くかけ離れた反応だったからだ。
「あれ、比叡?比叡・・・どうしたデ〜ス!?」
ガタッとテーブルから立ち上がった比叡
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ