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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#6
呪縛の死線 玲瑞の晶姫VS漆黒の悪魔
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【2】


「わぁ……!」
 仰ぎ見る頭上から人工の滝が降り注ぎ、
両サイドに設置されたマーライオンの吐き出す水流が三連に交差する、
広々としたロビー。
 外観はドリス様式の柱と優美なパラドリア様式を絡めた宮殿の如き構造。 
 多民族国家特有の多用なニーズに応えるレストランを始めとし、
バー、ラウンジ、シアタールーム、屋外プール
更にビジネス用の会議室や結婚式場と各種施設も充実した内部構造。
 SPW財団の誇る世界的にも有名な直営ホテルだが、
通常予約を入れるだけでも三カ月以上の長期を有し尚かつ
宿泊費もその人気に比例する。
 ソコにすんなりと6名 (7名?) もの当日客が入り込めたのは、
財団創設者と懇意ある血統の賜であろう。
 フレイムヘイズとして今まで碌に宿泊施設など利用した事のない
シャナは (人の来れない場所で夜笠にくるまって寝ていた)
子供のように瞳を煌めかせ、親しい者達と同じ場所に泊まるという
経験に胸を躍らせる。
「取りあえず、これが鍵だ。
急な来訪だった為部屋が結構バラけてしまったが仕方あるまい」
 ロビーのホテルマンに礼を言って戻ってきたジョセフが、
SPWの社印が入ったカードキーをそれぞれに手渡す。
「君は、シャナと同室で良かったのじゃな?」
「はい。お手数をおかけして申し訳ないのであります。マスター」
 ルームナンバー512のカードを受け取ったヴィルヘルミナが
深々と頭を下げる。
「いやいや、その方がシャナも喜ぶであろう。
昨日の夜も、話し足りなそうじゃったしな」
「そう、でありますか」
 太陽のような笑顔でそう告げるジョセフに、
表情を変えず照れたヴィルヘルミナは何となく頭をかく。
 昨日 (正確には今日) の夜半、自分が旅の同行者として受容された後
(アノ軽薄な男が)「歓迎会」 と称して沢山の料理を愛飲のワインと共に振る舞われ、
暁が差す頃まで歓談した (その後は不覚にも周りと同じく寝入ってしまったが)
 そこで自分は久方ぶりに、最愛の少女と安らかな気分のなか
心ゆくまで語り合った。
 本当に、自分でも意外なほど心が浮き立ち
凄惨な修羅場を一時忘れるほどの温かな時間だった。
 ただ、あの方の話に “空条 承太郎” という単語が頻繁に登場し、
J・P・ポルナレフの振る舞った料理が
(缶詰の類と乾燥パスタくらいしかなかったはず)
多種多様で、味も見た目も自分とは天と地ほどの違いがあったのが
やや不満であったが。
「承太郎! どこに何があるか探検しましょう!」
 その淑女の耳に最愛の者の嬉々とした声が入る。 
「やれやれ、オレァ酒でも飲んで、一眠りしてーんだがな」
「うるさいうるさいうるさい! 黙って来る!」 
 剣呑な様子で歩
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