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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#6
呪縛の死線 玲瑞の晶姫VS漆黒の悪魔
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に始末してやろうと想ったが、
気づいたのは貴様か? “ラヴァーズ”
色々と噂は聞いているぞ?
愚かにもDIO様を 「暗殺」 する為に、
我等の周りをこそこそと嗅ぎ廻っていたコトをな」
 野太い声で告げる傷の男に、ヴィルヘルミナは微かに険を寄せた。
「その(あざな) で呼ばれるのは、不愉快であります」
「フン、エンヤ殿が戯れに生み出した
“吸血鬼” を数匹殺したからといって、
良い気になるなよ? ラヴァーズ。
所詮奴等は何の能力も持たぬ消耗品。
我等 『スタンド使い』 とは、天と地ほどの差があるのだからな」
 そう言うと男は、傷痕で引きつる口唇を無理に歪めて笑った。
 手を翳せば切れる程に張り詰める、淑女の視線。
 ソレを真っ向から受け止めてたじろかず、男は決意を宿した瞳で堂々と告げた。
「オレの名は “呪いのデーボ”
スタンドは 『悪魔(デビル)』 のカードの暗示!
呪いに振り回され精神状態の悪化、不吉なる墜落の道を意味するッ!」 
 名乗り終えた後その男、呪いのデーボはヴィルヘルミナに一歩近寄り、
昏い視線で言った。
「ところでラヴァーズ? 
貴様、何故オレが冷蔵庫の中にいるのが解った?」
「お前? 頭脳が間抜けでありますか? 
冷蔵庫の中身を全部外に出して……」
 気に入らない渾名を連呼するデーボに冷たい怒りを滲ませて、
ヴィルヘルミナは鋭く部屋の隅を差す。
「片づけてないであります……ッ!」
 ベッドのシーツで隠された、露に濡れる缶や瓶。
 その容姿が示す通り一流のメイドであるが故に気づき、
尚かつ憤慨するには充分な理由。
 ソレを引き金(トリガー)として、互いの戦意が一斉に弾けた。
漆 黒 の 悪 魔(エボニー・デビル)ッッッッ!!!!』
 傷だらけの巨腕を胸の前でM字形に交差させる異様な構えと共に、
男の背後から土着神を模った偶像のようなスタンドが、
湾曲した短剣を握り締めて出現する。
「……」
 声を荒げるデーボとは対照的に、ヴィルヘルミナは右手に添えた一条のリボンを
最小限の動作で眼前へと流す。
 淀んだ漆黒の幽波紋光(スタンドパワー)を散らしながら淑女に迫る短剣が、
細身の割りにふくよかな左胸を刺し貫く瞬間。
 ガグンッ!
 重力の法則が乱れたように偶像が前傾姿勢で停止し、
短刀を握った右腕がメリメリと関節を軋ませながら明後日の方向へ引っ張られた。



 ザグゥッッ!!



「がッッ!? な、なにィィィィィィィィィ!!?」
 苦悶と驚愕の声をあげたのは、相手にソレを与えようとしていた張本人。
 本来己を護る、守護者で在る筈のスタンドが
その 「本体」 であるデーボの左眼を、眼窩越しに深々と刺し貫いていた。
 一拍置
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