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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#6
呪縛の死線 玲瑞の晶姫VS漆黒の悪魔
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した寓話ではないが、暑い場所に行けば違う装いが
見られるかもしれないと密かに期待していたが結局何も変わらなかった。
(その事を棚に上げて、自分の夏服を見たとき馬子にも衣装だな
とかイジワルな口調で言ったので本気で追いかけ回したが) 
 まぁ最も、承太郎には今の学生服が一番似合っていると想うし、
ソレ以外のどんな服が似合うのかと問われても正直言葉に窮してしまう。
 今度、自分の纏っている “夜笠” でも着せてみようかと
半ば本気で考えていた少女の頭上から、出し抜けに軽薄かつ邪な声が到来した。
「暑いっていえば、君は暑くないのかい?
体調管理はちゃんとしないと美容によくないぜぇ〜。
何ならオレと一緒にこれから似合う服でも買いにだなぁ〜」
 久々に再会を果たした大好きな女性の後ろで、
仲間内では一番いけ好かない男が
両手をワキワキと動かしながら言い寄っている。
 ドゴォッッ!!
「ウゴォォォッッ!!?」
 何か今にもヴィルヘルミナの服を脱がしそうだったので、
取りあえず高速の直突きを腹に見舞っておく。
「ヴィルヘルミナに近づくな」
 清掃の行き届いた路面で痙攣する不逞の輩、
否、J・P・ポルナレフをシャナは凛々しい視線で見据えた。
 その黒い瞳には、大切な者に指一本触れさせないという
強靭な使命感で充たされている。
「う、おおぉぉ……シャナ……テメェ……」
 腰砕けに這い蹲り、なかなか回復しない痛みを堪えながら
ポルナレフは言葉を絞り出す。
「マスター? 本当に “アノ者” が、
“天壌の劫火” と互角の戦いを演じたのでありますか?」
「う〜む、スタンドは強力なんじゃがのぉ〜」
「我も刻々と確信が薄らいできた」
 新たなる仲間、ヴィルヘルミナ・カルメルの問いに盟友二人が同時に答える。
 そこに。
「こらぁ!! きさま!!」
 ビクッとするような警笛と共に、
熟年らしい半袖の警察官が厳めしい顔付きでこちらに走ってきた。
 その途中には日本で見かけない、
手と紙切れに禁止マークが入った道路標識が立っている。
「あぁ?」
 路上で腹を押さえたまま、ポルナレフは両手を腰に当てて見下ろす警官を仰ぐ。
「きさま! ゴミを捨てたな! 罰金500Sドルを課する!
我がシンガポールでは、ゴミを捨てると罰金を課す法律があるのを知らんのかッ!?」
 これだから旅行客は等とブツブツ文句を言う法の番人を見つめながら、
銀髪の青年はおもむろに立ち上がる。
「ゴミ? 一体何のコトだ?」
 言いながらポルナレフは先刻の衝撃で路上に転がった、
長い年季のボクサーバッグを見据えながら問う。
「クッ……!」
「フッ……」
 意図を察したシャナと承太郎が想わず吹き出す。
「オレには! 自分の荷物の他には! 
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