336部分:第四十六話 第五の戦場その一
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第四十六話 第五の戦場その一
第四十六話 第五の戦場
聖域ではまずはアルデバラン達の帰還が伝えられた。彼等は帰還を祝われそのうえでそれぞれの持ち場に戻った。だがそれで全てが終わりではなかったのである。
「まずはよく戻ってくれた」
「はい」
アルデバランは教皇の前で応えていた。そこにいるのは他の黄金聖闘士達も同じだ。彼等はいつものように教皇の前に集いそのうえで片膝を折っているのである。
そうしてそのうえで。教皇の言葉を聞いていた。教皇もまたその教皇の間の己の玉座に座りいつものように彼等に対して述べるのであった。
「御苦労であった。何もなかったか」
「モロクは取り逃しました」
アルデバランはこのことも教皇に述べた。
「申し訳ありません」
「いや、それはいい」
そのことはいいとする教皇であった。
「そのことはな」
「宜しいのですか」
「そうだ。モロクをあの場で倒すのは至難だった」
だからだというのである。
「おそらくあの男とは別の場所で戦うことになるだろう」
「別の場所で、ですか」
「その時にだ」
やはりあの時ではなかったというのである。
「決着をつけるのだ。いいな」
「はい、それでは」
アルデバランは教皇のその言葉に応えて頷いた。
「その時にこそ」
「少なくとも聖闘士達に犠牲はなかった」
教皇はこのことも言うのであった。
「それで万全だ。私からは何も言うことはない」
「有り難き御言葉」
「そしてアイオロスよ」
教皇はアルデバランに告げ終えた後で今度はアイオロスに対して声をかけてきた。
「御前も今回出陣してもらったが」
「はい」
「見事だった」
彼にもねぎらいの言葉をかけるのだった。
「四人の狂闘士達を倒したこと。実に見事だった」
「有り難うございます」
「だが御前は次の戦いでは休んでもらう」
次の戦いでは、ということだった。
「いいな」
「次の戦いでは、ですか」
「次の戦場はだ」
教皇は戦場についても黄金聖闘士達に話してきた。
「北に行ってもらう」
「北!?」
「北ですか」
「そうだ。コラ半島だ」
そこだというのである。
「ソ連のコラ半島だ。そこに行ってもらう」
「コラ半島というとだ」
「そうだな」
デスマスクとシュラが顔を見合わせて話をはじめた。
「相当寒い場所だったな」
「何もかもが凍る世界だ」
「花といえど凍ってしまいます」
アフロディーテはその寒さをこう表現した。
「その様な場所です」
「だとするとその場に向かうのは」
「一体誰だ?」
アルデバランとアイオリアも話をはじめていた。
「一体誰が向かうのか」
「教皇、次に出陣する者は誰でしょうか」
「カミュよ」
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