335部分:第四十五話 激突の果てにその七
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第四十五話 激突の果てにその七
「このレダ、必ず封印を解いて御覧に入れましょう」
「封印もまたあと四つ」
封印の数も言うエリスであった。
「その全てが解かれるその時こそ」
「はい、我等の彼岸が適えられます」
「あの方が戻られ」
八大公達の言葉に喜びがこもってきていた。
「それと共に我等がこの地上を支配する時が来るのです」
「その時にこそ」
「そもそもじゃ」
エリスもまた述べてみせた。
「この世界はアーレス様のものになるべきもの」
「その通りです」
「戦いに彩られた世界」
それこそがまさに彼等の理想とする世界である。やはり狂闘士達は破壊と殺戮なしでは生きることができないのである。そういった者達なのだ。
「だからこそ是非封印を」
「八つ。全て解きましょう」
「頼んだぞ」
エリスは八大公全員に声をかけた。
「これからのことをな」
「お任せ下さい」
「あと四つです」
「いや、三つだ」
しかしここでレダが仲間達に対して。不敵な笑みと共に告げるのだった。
「あと三つだ」
「三つ!?」
「それは何故だ」
「私が封印を一つ解くことが決まっているからだ」
だからだというのである。
「だからだ。三つだ」
「そうか。だからか」
「だから三つなのか」
「そういうことだ」
まだ不敵な笑みを浮かべてみせていた。
「これでわかったな」
「わかった。それではだ」
「行くがいい」
「うむ」
今度は仲間達の言葉に頷くレダだった。そうしてそのうえで立ち上がり。目の前の玉座に座っているエリスに対して一礼したうえで告げるのであった。
「それではエリス様」
「行くのじゃな、今から」
「左様です。この八大公の一人」
まずは名乗りを挙げるのだった。
「このベリアルのレダ、出陣します」
「連れて行く狂闘士達は既に決めているか」
「無論です」
今エリスに応える笑みは悠然としたものであった。
「それももう」
「そうか。では行くがいい」
それを聞いて安心したように返すエリスであった。
「それではな」
「はい、それでは」
その悠然とした笑みで頷くレダであった。
「今から出陣します」
「吉報を待っている」
エリスはレダに対してまた告げた。
「それではな」
「はい、それでは」
こうしてまた狂闘士達が出陣するのであった。次の戦場も既に決まっていた。戦いは果てることなく続いていた。まさに戦いの神の思惑通りであるかのように。
第四十五話 完
2009・8・10
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