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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第五十話 別様
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総司令でありかつて西ドイツ軍の戦術機部隊創立に携わったドイツ軍人ハルトウィック大佐。
 彼の座るソファーの対面には蒼い日本帝国斯衛の軍服を纏う青年。

「並みの人工臓器のアフターケアなら他でも出来ますが、戦術機が絡むと調整が可能な場所は少ない……受け入れ感謝します。」
「うむ、君は貴重な成功例だ。君のデータを元に技術が体系化されれば戦術機は無二の近接戦闘能力を得る。
 たとえ旧世代機であっても最新鋭機と変わりないどころか、場面によっては上回ることも可能―――私の理念と君を再生した技術の理念は合致する。そんな君をバックアップするのは当然の事だよ。」

 本の一週間ほど前、F-4J改にて第三世代機と共に最前線で戦いF-4に乗っていたとは思えない戦果を残した青年。
 しかし、彼が受けた手術は未だ不完全な技術、そんな体で実戦に出た代償によって彼の体は幾つかの不具合が見つかっていた。

「それにしても無茶をするものだ。医者にはあと3か月は養成しているように言われていたのだろ?。」
「共にBETAと戦っている盟友の窮地、動かねば斯衛の武士(もものふ)としての矜持が腐ります。
 それに、そういう男だからこそが婚約者が認めてくれたと己惚(うぬぼ)れていますので。」

 一人の女を瞼の裏に浮かべながら告げる青年、そんな彼の貌の右目を縦に裂く稲妻のような傷跡。

「そうか、確か君はタカムラ中尉と婚約しているのだったな。」
「ええ、(おれ)には勿体ない良い女です。この手術を受ける時も背を押してくれました―――(おれ)(おれ)らしく生きれるようにと。」

 西ドイツの英雄を前にして己が女は最高だと言う青年―――斑鳩忠亮。

「――――成るほど、自分が自分らしくある為に……か。それを支えるタカムラ中尉の決意、君の決断。畏敬に値するな。
 それが日本人……いや、違う。武士とその妻の生き方か。大した惚気だ、この椅子に座ってから聞かされたのは初めてだ。」

 年若い二人、互いを大切に想いやっているのは節々から感じ取れる。そんな二人が斯様な過酷な決断を行ったのには素直に驚嘆の念がある。
 之から結婚するというのに命を賭す大手術、そして今回の出向―――本当に強い絆が無ければ乗り越える事なんぞ無理だろう。

 そういう意味では、彼らの絆を試す試練は未だ終わっていない。

「そう言われるとこそばゆい限りです。」
「ふふっ、其れも若さの特権だよ。……所でだね、今回ソ連側からの申し出で東西両陣営での模擬戦があるのだが観戦してみないかね?
 様々な陣営の対BETA戦略を見るのは得難い機会だと思うのだが。」

「そうですね、では招待に預からせてもらいましょう。」


 プロミネンス計画の有用性を示すロビー活動の一環として自身が
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