273
[8]前話 [2]次話
いつか来むと
言い期し君ぞ
待つとても
あてもなかりき
秋の夕暮れ
その内行くから…そう彼は口約束をしたけれど、どれだけ待ったとしても来ないだろう…。
私との口約束なぞ、どれだけの価値がある?
通りすがりの脇役に…大切な約束なぞしはしないのが常識と言うものではないか…。
どこへ行くでもない時…ただ、秋の寂しげな夕暮れだけがあるだけ…。
溜め息を
つくや山際
白みたる
明けにしけふも
君ぞなかりき
仕事も一段落し、ふと外を見ればまだ闇が覆っていた。
秋も深まり、徐々に夜明けも遅くなって行くのだと…何だか寂しくなった。
外へ出てみれば、薄雲の影から星が見え隠れし…まるで彼の様だと溜め息をついた…。
そうして遠くの山を眺めれば…少しずつ朝の光が洩れ出していた…。
あぁ…夜が明ける…。
彼のいない…今日がまた、始まるのだ…。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ