望み喰らいし魔法使い
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ああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!」
自分の家族はもう戻らない…そう思い知らされ両手で頭を抱えて絶叫した瞬間、皇巳の身体に紫色の亀裂が広がり出す。この現象こそ、絶望したゲートのファントム化進行の危険信号である…。
『やはりこいつもゲートであったか。ここにファントム化を邪魔する「魔法使い」共はいない…同胞と化すのも時間の問題だな。』
スケルトンは皇巳もまたゲートである事を知りながら、彼の異変を喜ばしい表情で傍観している。スケルトンの語る魔法使い…最後の希望「仮面ライダーウィザード」や古の魔法使い「仮面ライダービースト」ならば絶望するゲートを救う手段はあるが、この場に彼等はおらず、このままでは皇巳もファントムと化してしまう…。
―???
―こ…此処…は…?
気が付くと皇巳は先程までの夜の暗い海岸から、澄み切った曇り無き青空、全てを明るく照らす太陽の下、無限に広がる海とまっさらな砂浜にいた。しかし、そこに居るのは彼だけでは無い…。
―あれは…琉妃…それに、親父にお袋も…!?
遠くから彼を手招きしている複数の人物…ファントムと変わり果てた筈の琉妃とその傍らで小さく微笑む両親だった。
皇巳がいるこの空間…それはゲートが最も希望に満ちた日々、時間が具現化した精神世界「アンダーワールド」である。今の光景から鑑みると、皇巳のアンダーワールドは「家族と共に楽しい時を過ごす日々」の様だ…。
―そうか…さっきまで俺は悪い夢を見ていただけか…。
自分も家族も無事だった事から「ファントムやゲートなぞ、全て自分の見た悪夢に過ぎなかった」と判断し、家族の下へと駆け寄ろうとする皇巳。だが次の瞬間、そんな甘い考えは吹き飛ぶ…。
―なっ…何だっ!!?
突如、青空にあの紫色の皹が広がり、それが一部砕けた箇所から「巨大な何か」が現れる…。
『ジャルルルル…!!!!』
巨大な何か…全身が毒々しいダークグリーンの眼の様な形をした縞模様ストライプが付いたダークブルーの体色、爬虫類の様なダークレッドの鋭い眼、そして、剣の様に鋭い歯牙が特徴の海蛇を模した巨大ファントム「シーサーペント」は、グリグリと不気味にその眼を動かし辺りを見回すと…
『ジャルルルルアアアアァァァァッッッッ!!!!!!!!』
咆哮を上げながら、勢い良く首を伸ばし周囲の風景に所構わず暴れ狂うかの様に激突し続け、ぶつけた箇所からは紫の皹が広がり出す…。この様にゲートに内在したファントムは現実世界に顕現するべく、アンダーワールドを全て破壊していくのだ…。
―止めろぉぉっっ!!!!これ以上俺の…!!?
駆け寄りながら「俺の家族に手を出すな!!」と口にしようとした瞬間、皇巳の全身に消え
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