望み喰らいし魔法使い
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んったら…///そんなに愛おしく抱き締められちゃったら…」
そんな兄に抱き締められた琉妃は、顔を赤らめながらも自分を心配してくれる事を嬉しく思い、目を閉じて口元を綻ばせ…
「……え?」
「思わず…殺したくなるじゃなぁぁいっっ…!!」
琉妃は狂気に満ちドロリとした瞳を見開き、三日月の様裂けた口元で笑みを浮かべる等、人間の表情とは思えない顔にガラリと変貌させながら皇巳の腹部に槍を突き刺す…。
「なっ…うっ…ぐっ…ぐああああああああぁぁぁぁっっっっ!!!?」
「プッ…クックックッ…キャッハハハハハハハハ!!!!」
突然の出来事に困惑するも、直ぐ様貫かれた腹部の激痛に悲鳴を上げながら悶え苦しむ皇巳。そんな彼を大声で嘲笑いながら皇巳の腹部に刺さった槍を引き抜く琉妃…。
「ぐっ…!!どういう…事…なんだ琉妃…!!?も…元に戻ったんじゃ…ねぇの…かよ…!!」
「元に戻った〜?バッカじゃないの〜?アタシ等ファントムは現実世界ここに生まれた瞬間から、その元であるゲートの意識なんて疾うに消えてんのよ。」
皇巳は流血する腹部を押さえつつ、正気に戻った筈の琉妃(?)に自分を刺した理由を尋ねる。すると琉妃(?)は、小馬鹿にした様な口調でその疑問に答える。
先程スケルトンも説明した様に、ファントムはゲートが完全に絶望し現実世界に顕現した瞬間、その人間の姿と記憶を奪う…が、その精神や意識は消失してしまう…。
そうして人間に成り代わったファントム達は、ゲートの記憶や立場を読み取り、利用して様々な方法で別のゲートを絶望させ新たな同胞を誕生させて行くのが彼等の基本動作である。
今回のケースに当てはめると「王御琉妃」の姿と記憶を奪ったマーメイドは、「人間の意識の欠片でファントムを押さえ込み抗う人間」を装い、皇巳に「家族をまだ救う事が出来る」と言う偽りの希望を持たせ、本性を暴いて絶望させる…と言う最悪の手段を用いたのだ…。
「そ…んな…!?なら…俺の…俺の家族は…!!?」
「お兄ちゃん♪お父さんもお母さんも私も…みぃぃぃぃんなっっ!!!!死んじゃったんだよ?」
青ざめた表情で尚も家族がどうなったか必死で尋ねる皇巳を余所に、琉妃マーメイドは満面の笑みを浮かべながらまたも「妹」を演じつつ彼の顔に近付き…
『アタシ達って絶望を残してね♪アッハハハハハハハ!!!!キャハハハハハハハハ!!!!』
『フハハハハハハハ!!!!』
『ホホホホホホホホ!!!!』
琉妃の姿からファントム態へと変化し、狂気に孕んだ笑い声を上げ、ケンタウロスとハルピュイアも共に皇巳を嘲笑う…。
「嘘…だ…もう…俺の…家族…は…うっ…うわああああああ
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