望み喰らいし魔法使い
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女の隙を伺っているのか、宿主の妹に傷を負わせたくないのか、彼はそこから反撃しようとせず徐々に背後に追いやられ、遂には逆に隙を取られてしまい攻撃を受けてしまう。
『やっぱ無理だったみたいね。そんなに妹に会いたきゃ会わせてあげるわ…こいつでねぇっっ!!』
『……!!』
マーメイドはアクセプターの戯れ言が実行不可だった事を嘲笑いながら近付き、止めとして槍で彼を突き殺そうとする。が…
―…させ…ない…!!
『なっ!!?身体が…動か…ない…!!?』
突如、彼女の頭に少女の声が聞こえ、槍を持った手が意思に反して金縛りにあった様に動かなくなった。突然の出来事に困惑するマーメイドだが、頭の声は再び響き出す。
―お兄ちゃんは…死なせない…!!
『ま…さか…アンタは…!!?』
『やはりまだ生きていたんだな…琉妃。』
アクセプターは立ち上がりながら、マーメイドの中に聞こえる声…彼の妹、王御琉妃の意識がまだ生きていた事に仮面の下で不敵な笑みを浮かべる。
『有り得ない…!!アタシが生まれたのに…ゲートの意識が…残る…なんて…!!まさか…アンタ…!!』
琉妃に動きを封じられたマーメイドは、自身の誕生と共に消えた筈のゲート…琉妃の意識が僅かに残っていた事が信じられず、同時にアクセプターがこれまで自分に攻撃を仕掛けて来なかった理由を理解した。
『そうだ、俺はあの絶望の中で琉妃の声が聞こえた。それを救う方法は海蛇野郎から聞いたが、それには琉妃の意識が表に出ねぇと話になんねぇからな。』
アクセプターは自身のアンダーワールドが崩壊する中、妹の意識が僅かに生きていた事に可能性と言う希望を見い出した。しかし、それを救うには意識が表面化せねば実行は不可。そして、それが可能となった今こそ、アクセプターは新たなリングを嵌め、ハンドオーサーに手を翳す。
【MANA-ACCEPT!COME-ON】
『ジャルルルルッッ…!!!!』
『なっ…何よあれ…!!?』
アクセプターの全身から巨大な青紫色のシーサーペントのオーラが現出し、その口を裂ける様に開き、それを目の当たりにしたマーメイドが冷や汗を流して震える様はまるで「蛇に睨まれた蛙」だった。
『貴様の魔力(のぞみ)…』
『喰わせて貰うぜ…!!』
『ひっ…た…助けっ…!!ンッ…ンッ…ンッ…ンンンンッッッッ!!!!』
死刑宣告の言葉と共にシーサーペントのオーラは、恐怖に怯えるマーメイドの命乞いの言葉を言い切る前に彼女の身体を足首まで丸呑みした。足下でバタバタ足掻くも、マーメイドの足首が…否、全身が青い粒子となり、それがシーサーペントのオーラを介してアクセプターの身体に吸収される。これこそが他者の魔力を自分に
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