望み喰らいし魔法使い
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絶望…それは人の抱く夢や未来が失われた際に発する負の感情…。そうした感情から生まれし怪物・ファントムが人を絶望させまた更なるファントムを生みだしていく…。
そんなファントムから人々を守るべく、絶望の真逆の感情…希望と言う名の武器に戦う指輪の魔法使い…。
だが、この物語の魔法使いはそんな正義感を持ってファントムと戦っている訳では無い…。
『グゥッ…!?』
『……。』
とある場所にて、無数の赤い眼の茶色い蛇が髪の様になった頭部、紫色の単眼モノアイをしたファントム・ゴルゴンと1人の魔法使いが戦いを繰り広げていた。が、ゴルゴンは魔法使いの攻撃により膝を付き満身創痍の状態にあり、魔法使いは仮面によって表情は見えないが、その中ではそうした様子を見下している…。
『魔法使い風情が…俺等ファントムを見下してんじゃねぇよォォォォッッッッ!!!!』
そんな魔法使いの視線が自分への侮蔑に気付き怒りを露わにするゴルゴンは、一つ眼を妖しく光らせて動きを封じ、その隙に頭の蛇が敵に噛み付いて石化させる能力・石凍結(ロックロック)を発動しようとするが…
『……!!』
【――!COME-ON】
『なっ…何なんだこれは…うわああああぁぁぁぁっっっっ!!!?…ングッ…ン…グッ…グッ…ンンンンッッッッ!!!?』
それより早く魔法使いが何らかの魔法を使用した瞬間、彼の身体から現出した「何か」がゴルゴンの身体全てを包み込み身動きを封じた。脱出しようと必死に抗うゴルゴンだが、徐々にそんな力は弱まっていき、最後には魔法使いの体内に取り込まれていく…。
『おい…間違って全部呑み込むんじゃねぇぞ。』
(解っておる…「契約」は忘れておらぬ。)
魔法使いは、自身の内なるファントムに先程取り込んだゴルゴンを全て呑み込まぬ様注意すると、それを理解しているファントムは何らかの「契約」を守るべく、魔法使いの身体から青い魔力の粒子を放出させると、それは彼の持っていた菱形の水晶に吸収されていき下半分が水色に光り出す。
『どうにか半分まで溜まってきたか…。』
ファントムとの戦闘が終わり、水晶に魔力が貯蓄されたのを確認した魔法使いは、一通りやるべき事が済んだのか変身を解除する。
「もうすぐだ…もうすぐで俺の目的が…!!」
カールがかった青紫色のセミロングの髪に、鮫の様に鋭い目つきをした紅い瞳をした、黒いTシャツの上に藍色のジャケットを着込んだ青年・王御皇巳(おうみ・こうみ)は、水晶を手に自身の何らかの「目的」が達成される寸前まで来た事に不敵な笑みを浮かべ、青紫色の海蛇を模したバイク「マシンシーペンター」に乗り、その場を走り去って行く…。
―王御家
「よう、今帰ったぞ琉妃。身体の
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