チワワとキツネ
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「こっちが誰なのかわかってるみたいだけど、あなたは誰?」
彼女がそう言うと、チワワは自分を指差し、ソフィアを指差した後、両手を握り合わせるような行動を見せる。
「??」
その動作が一体何をやっているのか読み取れなかったソフィアは首を傾げしばし思考した後、手をポンッと叩いて両腕を広げる。
「いいよ!!ハグしよ!!」
ブンブンブンブン
“私を”・“あなたが”・“抱き締めて”!!という身勝手な解釈をしたソフィアだったが、チワワは一歩後退りしながら首を横に何度も振る。
「違うの?」
不思議そうな表情で聞いてみると、チワワは肯定するように大きくうなずく。
チワワが表現したかったのは、“私は”・“あなたの”・“味方です”だった。サブはしゃべることができない以上、言葉を動作などで表さなければならず、プレイヤーに伝わりきらないこともあり得る話だ。
「ソフィアのチームの人?」
うなずくチワワ。しかし、ソフィアは当然それを信じるわけがない。彼女は彼をユウカだと考えているわけだから、信じることができないのも当然のこと。
「へぇ、じゃあシリルとウェンディ、どっちなのかな?」
ニヤリッと着ぐるみの中で誰にも見えない笑みを浮かべる銀髪の少女。彼女はチワワがなんと答えるのかを、不敵な笑みを浮かべたまま見つめていた。
「うまいな」
ゲームの様子を見ていた黒髪の剣士がうなずきながらそう呟く。それを聞いた隣に座る猫耳の女性が、?を浮かべながら顔を見ていた。
「何がうまいの?カグラちゃん」
彼女たちが見ていたのはソフィアとチワワのやり取り。だが、それを見て何がうまいのかさっぱりわからなかったミリアーナは、彼女にその理由を訊ねてみた。
「ソフィアはあえて退場したシリルの名前を出してきた。そして、その様子はユウカも見ていたはずと考えている。もしこれでチワワがウェンディだと名乗れば、より疑いの目を向けてくるはずだぞ」
「なるほど」
カグラの話したソフィアの狙いに納得したミリアーナだったが、カグラの膝の上で抱えられているこちらの少年がある質問をぶつける。
「でも、逆にあの中身がウェンディだったらどうするんですか?あとそろそろ離してください」
子供体温の上に小さくて抱き心地満点のシリルは、カグラの腕の中に収まっている状態で動くに動けない。だが、そんなことなどお構い無しにカグラは彼を抱えたまま自身の考えを述べる。
「あのチワワはウェンディでは間違いなくないだろう」
「え?なんでですか?」
彼女の自信満々の宣言に首をかしげる少年。その考えの裏付けをカグラは語り始めた。
「ウェンディは慎重にこ
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