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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
23話 一夏VS鈴 その3 & 無人機戦 ラスト
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るなんて、随分と大胆なことを考えたわね」

 1歩間違えていたら悲惨なエンディングが待っていた。勝算があったとはいえ賭けと言ってもいいのは間違いない。

「―――だけど、結果としてそれが最高の一手だったわ」

 過程はどうあれ結果は最良と言ってもいい。その結果に楯無はティーカップを持ったまま背中を壁に預けた。

「零落白夜を用いた短期決戦。観客への被害を考慮すれば決着は速いほうがいいわ。そういう意味でキミと一夏くんの判断は正解だった」

 詰め方はちょっと雑だったしヒヤヒヤさせられたけどな。そう言って楯無は話を締める。

「上手く行って本当に良かったです」

「そういえば、一夏くんと箒ちゃんの同室が解除されることは知ってる?」

「あれ? セキュリティ面の問題は解決したんですか?」

「学園内に限定すればの話だけどね。人手不足が解消されたからね」

「あの2人が解除されたということは僕と先輩の同室も解除されるわけですか」

 随分と長かった。そう鬼一はシミジミと考えながら自分用のティーパックの紅茶を入れる準備を始めた。

「……んーと、鬼一くん?」

「なんです?」

「向こうの方は解消できたんだけど、実は鬼一くんの方はまだ時間がかかるのよ」

「……は?」

 思わず、鬼一は凍りついた。それだけ楯無の言った言葉が衝撃的だった。鬼一の思考が止まってしまうほどの衝撃。紅茶を入れる手が止まってしまうほどだ。

「キミには私がついているから織斑先生たちも安心しちゃっていたから、あの2人のセキュリティ強化を優先していたわけなのよ」

「―――……ってことは、まだしばらくはこの状態なんですね?」

 少し間を置いて鬼一は平静を取り戻す。

「まぁ、そういうことになるわね」

「……じゃあ、しょうがないです」

 諦めたように肩を落とす。ポットからカップにお湯が注ぐ。

「鬼一くんも無関係じゃないから話しておくけど、3人目の男性操縦者も見つかったのよ」

「―――3人目っ!?」

 楯無の言葉を一瞬理解出来なかった鬼一。それだけ楯無の言葉は鬼一にとって衝撃的なものだ。冷静に考えてみれば何の不思議でもないのだが。

「……そ、3人目」

 ―――本当に3人目かどうかはまだ分からないけどね。その言葉を楯無は口にせず心の中で呟く。

「……僕が言うのもなんですけど、そんな簡単に男性操縦者って見つかるものなんですか? ……ん? もしかしてその人も」

 元々鬼一は保護という名目でIS学園に入学している。一夏も同様。となると、その3人目も同じ理由という予想は容易に出来た。

「うん、近いうちにIS学園に転校―――というよりも保護が正解かもね。キミ同様」


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