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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
23話 一夏VS鈴 その3 & 無人機戦 ラスト
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 ―――……らしくないな。僕。疲れて、いるのかもな。本当なら考えないといけないことがたくさんあるはずなのに。

 鬼一は自覚していなかったが今回の状況に神経が参っていた。そして自分の言動や行動が人にどれだけの影響を与えているのかさえも、正確に理解していない。
 時間が経ち、神経が落ち着いてくるに連れて自覚していなかった疲労が全身にのしかかってくる。鬼一は久しぶりに眠気を感じていた。

「おかえり〜」

「……先輩って人の思惑外すの好きですよね?」

 自室の鍵を開けて入ると聞きなれた声が耳に入ってきた。それが今は嬉しく感じる。鬼一自身も楯無も気づかないほど小さな溜息を零す。

 ベッドの上に座りながら楯無は鬼一に視線を合わせる。その手にはティーカップ。紅茶を飲んでいるようだった。制服姿であることから部屋に戻ってきてまだ間もない。

「何よその言い方は。人を弄ぶような悪人と一緒にしないで」

 その言葉に対して鬼一は思わず首を傾げそうになったが、我慢して心の中で傾げるだけで留めた。ここで本当に首を傾げてしまったらどんな逆襲が待っているか想像も出来ない。

「後処理の方はいいんですか?」

「後処理と言っても、私が手を付けられる所はもう全部終わってるわよ。後は教員の人たちのお仕事」

「結局、あのISは無人だったんですね」

「……流石にあれは予想出来なかったわ。無人のISなんて誰も出来なかったことだもの」

「外部には公開するんですか?」

「いえ、いくらなんでも今は公開できないわ。どんな混乱が起きるか予想が出来ないもの。織斑先生がこの1件の責任者よ。その織斑先生が情報のシャットアウトを決めた以上、公開するとかしないとか考えるだけ無駄」

 ―――織斑先生ならこんなトンデモない情報をすぐには公開しないだろうな。いや、というかそんなこと公開できるのか?

 今までの常識を覆されるほどの衝撃。それがISの無人機化。操縦者が乗らなければ動かない、という常識を破壊された。男性操縦者が表れた、なんてとはレベルが違う。

 ―――無人化出来たなら次はISコアの作成とかありそうで怖いな。……あれ? そういえばあの無人機のコアって……。

 ふと浮かんだ疑問は1度頭の片隅に追いやる。今はそれを考えているだけの体力も精神力もない。楯無と話していなければ直ぐにでも意識が落ちてしまいそうだった。

「……まぁ、それしかないですね」

「通信内容聞かせてもらったけど、鬼一くんと一夏くんはあれが無人だって気づいたのよね?」

「確証はありませんでしたが、その可能性は高いと思いましたよ。いくらなんでもあそこまで意味の分からない行動は人とは思えません」

「だからといって迷わず零落白夜の使用を敢行す
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