33部分:第三話 ローマへその五
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第三話 ローマへその五
「こうして全ての黄金聖闘士が揃った」
「老師を含めてな」
「確か先の聖戦以来だったか」
冥皇ハーデスとの戦いだ。この戦いではシオンと童虎以外全ての聖闘士が倒れた。それは黄金聖闘士達とて例外ではなく次々と壮絶な最期を遂げたことが知られている。それ以来黄金聖闘士が全て揃うことはなかったのだ。この時までは。
「ということはだ」
アルデバランが言った。
「我々はこの聖戦の為にここにいるのか」
「だったらいいじゃねえかよ」
デスマスクは軽い調子だった。
「戦うことが俺達の仕事なんだからよ」
「それはその通りだが」
しかしカミュは引っ掛かるものを感じていた。
「だが。それだけか」
「それだけといいますと」
ムウはカミュのその言葉にその流麗な眉を顰めさせた。
「他に何かが」
「アーレスは確か」
アフロディーテがここで思い出した。
「冥界に逃げ込んだ筈。先の聖戦で」
「それではハーデスも」
アイオリアの顔に不吉なものが浮かび上がった。
「そうなるのか」
「出て来るというのか?」
「現にアーレスが出て来た」
ミロに対して述べた。
「それならばだ」
「いや、それはない」
それはシャカが否定した。
「何故そう言える、シャカ」
「ハーデス及び彼の配下である冥闘士達の封印は解かれる時ではない」
「そうなのか」
「そうだ。彼が出て来るのはまだ先だ」
シャカの言葉は断言に近い。そうさせるものが彼の言葉にはあった。
「私達の相手は。アーレスのみだ」
「じゃあ楽なもんだぜ」
デスマスクはマカロニグラタンを食べている。彼自身が作ったものだ。それを食べながら話をしていた。グラタンにはタバスコがかけられている。
「あいつ等だけだったらな」
「我々の相手になるのは八大公か」
シュラはワインを飲んでいる。赤ワインだ。ワインの豊穣かつ甘美な味を楽しみながらの言葉だった。
「八人だ」
「それに対して我々は十一人」
アフロディーテが言う。しきりに薔薇を食べている。
「聖闘士の数はともかくとして我々の数では有利」
「しかし。彼等にはアーレスがいます」
ムウは彼等の主であるアーレスの存在を強く意識していた。
「その力は圧倒的なものであります」
「しかも。エリスだ」
アルデバランはその巨体に似合わず繊細な動作でフォークとナイフを使っている。それでシェラスコを切っている。肉にはオニオンソースがかけられておりその場を肉とソース、それにそのオニオンの三つが合わさった美味な味で支配していた。それはアルデバランの口の中にも及び彼は今は舌も満足させていた。
「アーレスの妹。その力はかなりのものだ」
「戦力としてはあちらが有利なのか」
カミュは戦力分析に入っている
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