暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストX〜イレギュラーな冒険譚〜
第五十九話 会議
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
れなりの繋がりがありますね」

 これらはとても有意義な情報だ。
 私は思わず興奮して、無意識のうちに手を固く握りしめていた。

「そうか、報告ありがとう。さて、次はこちらからの報告です」
「研究の結果石化させられた人間を元に戻すには『ストロスの杖』と呼ばれる古代の杖を使えばいいという事がわかりました」

 古い本を持って、そう言うのはマーリンだ。

「又『ストロスの杖』があるのはここ、『最果ての祠』と呼ばれる場所にあるという事もわかりました」

 マーリンは、世界地図の北の大陸の先端を指した。そこがどうやら『最果ての祠』の場所らしい。
 その後何回か話し合いをした結果、ストロスの杖の探索とアベルの石像の回収を並行して行う事が決定したところで会議は終わった。
 私が片付け、部屋を出ようとしているとオジロンさんが話しかけてきた。

「いや、良かったですな。アベル王がどこにいるか場所の目処がついて」
「そうですね。何もわからないよりはいいかと思います。でもビアンカの安否が不明で、アベルの石像の回収や石化解除も首尾よく行くとは限らない以上手放しでは喜べませんね」
「ううむ。その通りですな」

 確かにアベルがどこにいるかはわかったから嬉しいけど、ビアンカの手がかりは全くと言っていいほどなかった。
 デボラにも聞いてみたところ、見たのはアベルだけでビアンカはいなかったらしい。
 アベルの情報をこうして入手できるのにもこれ程の時間がかかったのに、ビアンカはより多くの時間をかけなくてはならない。
 それを考えると、少し気が重くなった。



 *

 会議が終わり、廊下を歩いているとレックスとタバサに出会った。

「先生!お父さんとお母さんの事何かわかりましたか?」
「取りあえず、お父さんの行方はわかったわ。お母さんは……残念だけどまだ何もわからないわ」

 まだ幼いこの双子にこんな事を言うのは心苦しかったけど、私はアベルとビアンカの子供を育て導く人間だ。
 だからこの子達には包み隠さず言わなければならない。

「そうですか……」

 タバサが少し沈んだ声で言う。
 そのタバサの様子をを見て私は胸に棘が刺さったかのように感じた。

「でも、お父さんはどこにいるかわかったんだよね?だったらきっとお母さんも見つかるよ!僕はそう信じてる」

 笑顔でタバサに言ったのはレックスだった。
 双子の兄としての責任感からか、レックスはタバサが落ち込んだり悲しんでいたりするとこうやって励ましている。
 
「そうね。きっとあなたたちのお母さんは見つかるわ」

 そして、ビアンカが見つかるのを信じているのは私も同じだ。
 だから、レックスがこう言ってタバサを励ましているのを見ると自分も励まさ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ