マブラヴ
1475話
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遅れています。それに、ブリッジス少尉が……」
言葉を濁す篁。
この様子から考えると、ブリッジスというのがテストパイロットの名前なんだろう。
そんな俺の様子を見て、ふと気が付いたような様子で頷いた篁は慌てて口を開く。
「ユウヤ・ブリッジス少尉がテストパイロットとなります。不知火弐型の方は先程も言ったように若干遅れてますので、現在は日本製戦術機の挙動に慣れるように吹雪を使って訓練を重ねているのですが……」
再び言葉を濁す篁。
どうやら余程の問題児らしい。
元々篁は斯衛の出身で恭子の知り合いとは思えない程に堅苦しいところがある。
その辺を考えれば、余計にそのブリッジスという男の扱いに困ってるのだろう。
吹雪、と言うのは確かTYPE97の名前だった筈だ。
TYPE94に比べると性能は落ちるのだが、初の純国産戦術機と呼ばれる事すらあるだけの素性の良さがある。
というか、性能的にはともかく拡張性という意味ではTYPE97の方が上なんだよな。
もしかしてXFJ計画も、TYPE94じゃなくてTYPE97をベース機にした方がもっと効率が良かったのかもしれないな。
まぁ、それでも日本帝国にはTYPE94の存在が大きかったのだろう。
ともあれ、TYPE94に慣れる為の機体としてTYPE97を使うというのは決して間違ってはいない。……にしても、TYPE00とTYPE94だけなら分かりやすかったが、ここにTYPE97まで混ざってくると色々と言いにくいな。
日本帝国のXFJ計画に協力するんだし、次からは武御雷、不知火、吹雪と呼んだ方がいいか。
「吹雪というのは……確か、練習機という扱いだったか?」
「はい。プレスティ大佐の仰る通り、不知火に乗る為の練習機という扱いの機体です。操縦する際の感覚もよく似ているので、慣らすという意味では十分に使い勝手がいいかと」
「ふむ、なら問題はないのではないか?」
「いえ……それが、ブリッジス少尉はどうしても機体をアメリカの戦術機を動かすようにして操縦しているので……特に日本の戦術機は、意図的にバランスを悪くして、そのバランスの悪さを使っての機体挙動を行う事が多いので」
なるほど。それには慣れていない、か。……まぁ、そのブリッジスってのがどういう性格をしているのかは分からないが、篁の様子を見る限りでは言葉通り随分と問題児なんだろう。
「そういう時は、一度正面からぶつかってみるのもいいかもしれないぞ。篁、お前も当然ここに戦術機を持ってきているんだろ? 恭子から、お前の操縦技術はかなり高いと聞いてるが」
「……一応持ってきてはいますが……」
恭子から褒められていたというのが嬉しいのか、篁の顔に笑みが浮かぶ。
それでもすぐに表情を引き締めるのは、やはり
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