帰郷-リターンマイカントゥリー-part2/ラ・ヴァリエールにて
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」
それにしてもしたい話に進まない。痺れを切らしてエレオノールがカトレアに尋ねた。
「母様なら、先に会食の席で待っておられるわ。父様は、明日まで戻られないそうよ」
「なら、まずは母様の前で話してもらいましょうか。ルイズが今まで何をしていたか」
ジロッと睨まれ、ルイズは縮こまる。なんだかルイズがさらにかわいそうに思えてきた。
そんなときだった。
「ピピィ!!」
奇妙な、しかし愛らしさも混じった鳴き声と共に、赤い影がどこからか富んできてエレオノールに飛び掛ってきた。
「きゃ!!こ、こら!!何をするの無礼者!」
自分にしがみついてきた赤い何かに向けてエレオノールが怒鳴る。しかし赤い何かはエレオノールを押し倒してじゃれ付いている。
「ひ、平賀君何これ!?」
「ハルナ、下がって!」
怯えるハルナを、自分の後ろに下がらせ赤い何かへの警戒を高めるサイト。
「な、なにこれ!?」
突然エレオノールに飛び掛ってきた赤い何かを見て、ルイズは驚く。
「って、あれ…?こいつは…」
いきなり現れてエレオノールを襲ってきたように見えたので、サイトは一度は警戒を抱いた。だが、あまりにも飼い主にじゃれ付いている犬のような様子に、サイトは違和感を覚える。こいつからは、あまり敵意とか危険性をまったく感じないのだ。
「あらあら、この子ったら、ずいぶんお姉さまが気に入ったのかしら」
その証拠からか、カトレアはなぜか微笑ましげに眺めている。
「って、もしかしてこいつ!」
「こ…の…離れなさい!」
サイトはよくその赤い何かを、眼を凝らしてみる。同時にエレオノールは自分に飛び掛ってきた赤い何かを撥ね退けた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「え、ええ…」
エレオノールがメイドの一人に抱き起こされている間、その赤い何かは床の上に転がったものの、すぐにぴょんと飛び跳ねてきた。
「やっぱり!」
飛び起きた赤い奴を見て、サイトは確信を持った声を上げた。
「こいつは、ピグモンじゃないか!」
「ぴ、ピグモン?知ってるの!?」
ハルナは目を丸くしながらサイトに尋ねる。ルイズもそれに耳を傾ける。実家にこんな赤くてふわふわしたような奇妙な生き物がいるなんて聞いていないから彼女も驚いていた。
「あぁ、こいつ怪獣だよ」
「か、怪獣!?大丈夫なの!?」
怪獣と聞いてルイズが思わず身構えた。だが、カトレアはそんな妹を安心させようと、後ろから両肩をそっと掴んで優しく告げる。
「大丈夫よ、ルイズ。この子はうちに来てから何も悪いことはしてないわ」
「え、でも…」
「ルイズ、お姉さんの言ってるとおりだ。ピグモンは人間には友好的な怪獣だよ」
「そ、そうなの…?」
サイトが言うと妙に説得力がある。それにルイズからしても、カトレアまで証人になっている。ルイズとハルナは、ひとま
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