帰郷-リターンマイカントゥリー-part2/ラ・ヴァリエールにて
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、あまりにもルイズを酷くいじめるエレオノールに、ハルナはあまりいい気持ちがしなかった。あんな厳しすぎる姉は、できれば持ちたくないと思ったのかもしれない。
「ず、ずいぶん具体的だな…」
全部正しいです、ハルナさん。同じ女の勘からだろうか、見事にエレオノールのイラつきの原因を見抜いた。
『頬を抓られるなんてまだマシだろ。俺なんざレオに何度殺されるかと思うくらいしごかれたことか…』
しかし、サイトの目を通してルイズの様子を見ていたゼロは、これくらいなんともないだろうという。少し前に、師であるウルトラマンレオに、とことんしごかれたときの方がよっぽど苦しみが伴っていた。それに比べてルイズが受けている仕打ちなどかわいく見えているのかもしれない。
『あ、あはははは……あぁ…やめて…俺、あれ以上の地獄は思い出したくない…』
できれば、思い出したくない思い出の1ページ。サイトはアルビオン帰還後に、タルブ村のフルハシの墓の前にてレオことおおとりゲンに会ったあのときのことを思い出す。あの後、ゼロがK76星で受けてきた地獄の特訓の痛みを、同じ体を共有しているためにサイトも受けていた。学校に通っていた頃のマラソン大会の方が遥かに温かったと思える特訓のことは、できれば思い出したくない。サイトはできれば当時のことを話さないようにとゼロにお願いした。
数時間経過し、サイトたちはようやくルイズの実家であるラ・ヴァリエール領へと到着した。始めて見るルイズの実家の屋敷は、もはや一つの城のようにしか見えないほど立派だった。周囲は深い堀で囲まれ、門には20メートルほどの石造が、跳ね橋を下ろすために設置されており、その光景はこの世界がファンタジーに満ちたものであることをサイトに思い出させた。庭の方も森や芝生は庭師の手によって美しく手入れされている。あまりの豪勢な光景に、サイトとハルナは驚かされた。
中に入ったときも、驚きの連続だった。綺麗な壁やシャンデリア、廊下に点在している絵画や飾りの鎧、花瓶に入った花、どれもが上等なもので目を惹かれる。メイドや執事も、若者から初老までたくさんの人たちが出迎えてきた。
そして、召使と共に一人の女性が、戻って来たルイズたちを出迎えてきた。
「お帰りなさい。私の小さなルイズ」
「ちい姉さま!」
顔立ちはルイズにそっくりだが、彼女やエレオノールのように勝ち気な雰囲気はなく、とても穏やかな印象を持つ女性。エレオノールの妹でルイズのもう一人の姉『カトレア』である。
「また見違えるように綺麗になったわね」
「そんな、ちい姉様には及びませんわ。それより、お体の具合は?」
「ありがとう、大丈夫よ。いつもどおりだわ」
いつもどおり、と聞いてルイズの目が何かを憂うような、不安を漂わせるものに一瞬変わった。何かあるのだろうか。
「…あら?」
カ
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