『I protect』
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あの冬が心を凍らせる。
あの出来事が無ければ今頃たぶんマダ馬鹿みたいに繋がり合ってた。
いつまでも青春ごっこを共有してたかった。
溶けてく、段々と、あの頃の記憶が。
其れが怖くて幾度となく反芻する。
無くなってしまうのが怖い。
楽しかったこと、死ぬより苦しかったこと。
共に感じ、共に生きた証。
いつまでも鮮明に在れと想うのに...。
いつからこんなに色褪せたんだろう。
忘れることは決してない。
違う、もっともっと鮮明に。
海から吹く潮風が追いかけてくる。
潮風に包まれると帰りたくなる。
帰る処なんて無いのに...。
懐かしいあの場所へ連れ去ってと、言えたら楽なのに。
此処に在るものは今はすごく大事なもので。
手放せないとか離れられないとかは言い訳で。
本当はいざと成れば動けるんでしょって...。
責めないで。
だって自分の為だけに宝を汚したくない。
傷つけない...。
大事なものが出来るのは良いことだって言われてきた。
でも其れって結局はタイミングと結果次第。
大事なものが出来ても守れなければ意味が無い。
守れなかったから失った数人の命。
だから、今在る大事なものは生涯最後の守るべき宝物。
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