326部分:第四十四話 無限の剛力その三
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第四十四話 無限の剛力その三
「私はまだ充分に戦える」
「!?何と!」
狂闘士達は衝撃が消え再び姿を現わしたアイオロスを見て今度は驚きの声をあげた。何と彼自身も聖衣も傷一つ負ってはいなかったのだ。
黄金聖闘士だけが身に着けることを許されるマントもであった。健在であった。彼は全くダメージを受けてはいないのであった。
「あれだけの攻撃を受けてもダメージを全く受けていないというのか」
「黄金聖闘士の中で随一の強さを誇るだけはあるということか」
「そう思うのならそう思ってもらっていい」
アイオロスもその考えを打ち消さそうとはしなかった。
「ただ。一つ言っておく」
「何だ?」
「何が言いたいというのかしら」
「アテナは。そしてそのアテナに仕える我々聖闘士は」
アテナと自分達のことだった。
「戦いを知っている」
「今更の言葉だな」
「何を言うかと思えば」
狂闘士達はアイオロスの今の言葉を聞いてまずはせせら笑うような笑みで返した。
「そうした意味では我等と同じ」
「戦いの中でしか生きられないのだから」
「しかし我々はそれと共に平和もまた知っている」
だがここでアイオロスはまたこう言うのだった。
「平和もだ」
「平和もだと?」
「戯言を。戦いがあれば平和はない」
何処までも狂闘士として語る四人だった。
「平和なぞ。全く不要のもの」
「そんなものを知って何だというのだ」
「戦いと破壊、そして殺戮だけに生きる御前達にはわからないことだろう」
アイオロスもそれ以上は聞こうともしない。
「だが」
「だが!?」
「我々はそれを護る為に戦っている。だからこそ私も今ここにいるのだ」
「面白い。それならばだ」
「今ここでその平和を護る為に我等四人を倒すというのか」
「その通りだ」
アイオロスは構えを取った。さながら誇り高いケンタウロスの賢者の様に。その両腕を悠然と構えてみせたのであった。
「今ここでその平和を護る技を見せよう」
「サジタリアスの技」
「それは一体」
「これがその技だ」
今アイオロスの右腕に光が宿った。それは黄金色の雷だった。
「受けよ、我がサジタリアスのアイオロスの技!」
「むっ!」
「雷か!」
「そうだ。光速の雷!」
叫びながら今その雷を宿した右腕を前に突き出しその技の名前を呼んだ。
「アトミックサンダーボルト!」
「来たか!」
「これは!」
一瞬であった。アイオロスの右腕から放たれた無数の雷達が四人を通り過ぎた。それと共に凄まじい雷撃と衝撃が四人を襲った。
「ぐうう・・・・・・」
「これがサジタリアスの技だというのか」
「そうだ」
技を放ち終えたアイオロスは雷と衝撃を受け今まさに崩れ落ちんとする四人に告げた。彼等のその全身はあちこ
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