325部分:第四十四話 無限の剛力その二
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第四十四話 無限の剛力その二
「槍ね」
「貴女の槍なのね」
「そうさ。ベリスは槍を持つ魔神」
彼が司っている魔神はそのベリスなのだった。全身を武装した戦士である。
「だから今この槍でな」
「そう。それじゃあその槍で」
「サジタリアスを貫きなさい」
「言われずともな。サジタリアス!」
下にいるそのアイオロスを見下ろしながらの言葉だった。
「受けるんだな。グローランス!」
この言葉と共に紅蓮の槍を投げた。槍は凄まじい唸り声をあげながらアイオロスに向かいそのうえで恐ろしい衝撃を引き起こしたのであった。
「さて、これでどうだ!?」
着地したディーンはその衝撃をまず見て言った。
「これなら流石のサジタリアスもな」
「待て、ディーン」
しかしヨーダがここで彼に対して言うのだった。
「自分の言葉を覚えているか」
「おっと、そうだったな」
言われて気付いたような顔を作ってみせるディーンだった。
「油断大敵だったな」
「そうだ。まだこのヨーダがいる」
彼は悠然と前に出ながら述べた。
「ナベリウスのヨーダがな」
「じゃあ最後はあんたってわけだ」
ディーンは楽しそうな笑みを浮かべて彼に告げた。
「それじゃあ頼むぜ」
「サジタリアスよ」
今だ衝撃の中に包まれているアイオロスに対する言葉だった。
「止めだ。受けるのだ」
彼の言葉は簡潔だった。
「このナベリウスのヨーダ最大の奥義」
言いながら構えに入る。両手を胸の前でクロスさせる。
「トリプルヘッドアタック!」
その両手から立て続けに三撃放った。その三つの攻撃が忽ちのうちにオレンジの不気味な光となる。その不気味な光がアイオロスを襲った。
「この攻撃を受けて生きていた者はいない」
ヨーダは技を放ってから言った。
「サジタリアスよ、貴様はどうだ」
「さて、どうなのかしら」
「私達の攻撃も受けたけれど」
リベカとデューテは言いながら再び構えに入っていた。
「これでも立っていられるというのなら」
「まさに神に等しいわ」
「へっ、俺達の崇める神様はアーレス様だけだぜ」
ディーンがここでまた軽口を叩いた。
「そしてエリス様と四柱のあの方々だな」
「そうだ。あの方々こそがだ」
ヨーダはディーンのその言葉に応えて述べた。
「我等にとっての神々だ」
「アテナなんてのはあれだぜ。何もわかってないんだよ」
ディーンはアテナに対して辛辣な言葉で評価した。
「この世の中のことがな。とんだ甘ちゃんだぜ」
「全くね」
「戦の女神でありながら平和を愛するなぞ」
戦いの世界にしか生きていない彼等に理解できる筈がないことだった。
「とんだ戯言だ」
「出来る筈がないわ」
「それはどうか」
しかしであった。ここで声
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