第6章 流されて異界
第152話 冬の花火
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そして、
【涼宮ハルヒは水着など身に付けてはいない】
必要なら、今現在の女湯の状況を飛霊から中継しても良い。
非常に真面目腐った顔……と言うか、おそらく彼女は俺が勘違いをしていると考え、真剣にそう言って来たのだとは思いますが、それにしても認識がズレ過ぎているような気もするのですが。
【帰国子女じゃあるまいし、日本人に水着を着て温泉に入る習慣はない。いくら、ハルヒがへそ曲がりだとは言っても、そこまで変わり者ではない事を俺は知っている】
ウケを狙って……と言う可能性もないな。むしろ、誰かが水着など着て居たら、無理矢理脱がそうとするぐらいの事はするでしょう。あいつは。
接触型の【念話】でそう答える俺。案の定、
「何を言っているのよ。あたしは水着なんか着ていないわよ」
それとも何、もしかしてアンタの方が水着なんかを着て温泉に入っている訳じゃないでしょうね。
打てば響く、と言うのはこう言う事。完全に予想通りの言葉がハルヒより返って来た。
彼女の言葉を聞いた瞬間、かなり意地の悪い。敵軍を奸計に陥れる直前の性悪軍師のような笑みを唇の端に浮かべる俺。
そして、
「おいおい、ハルヒ。オマエ、水着も着ずに男湯に乱入して来る心算だったのか?」
ハルヒの言葉に呆れたように。しかし、現実には最初から予定していた台詞を口にする。大丈夫、今回も無事に切り抜けられた。我が事なれり、だな。
「確かにここの旅館は今、正式には営業していないから、男湯に入って来る可能性のあるのは俺だけ。その俺を追い出して仕舞えば、その後は誰に気兼ねする必要もなくなる……と考えたとしても、それは大枠では間違いやない」
もっとも営業はしていないけど、一応、俺たちが使う事を前提にしているので、必要最小限の掃除の類は当然、行っている。故に、その辺りに関しては気にする必要はあるのですが……。
「但し、こんな何の目隠しもない男湯に女の子が水着も着ずに入って居て、それを外から見られたら、オマエ、どうする心算なんや?
それに、問題はそれだけやない。女の子の入浴シーンを覗ける露天風呂がある、などと言う良くない噂が立つ可能性やってある」
そもそも論的に言うと、そうならない為に、男湯の方には屋根を付けていないのに、女湯の方は屋根で覆っているんやから。
普段通りの正論でハルヒの次なる言葉を封殺。
そう、俺が組み立てたのはこの会話の流れ。大体、俺が迷惑だから止めてくれ、などと言ったトコロで、ハルヒが素直に、ハイそうですか、などと言って止める訳はない。ここは、彼女の行動が第三者に迷惑を掛ける可能性がある、と言う論法で行動を阻止する方が正解。
そもそも、ハルヒの目的が何処にあるのか分からない。……が、しかし、おそらくそ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ