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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三一幕 「全てはヤツの手の内に」
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だベッドに私を押し倒すなんてぇぇぇ!?なんなんだ!サトーと一緒に行動することで逆に私の魅力を再確認してこれからヴァージンロードルートに乗ってしまうのかそうなのか!?い、いかん堪えるんだ………式にたどり着くまで鼻血は出すんじゃない!いや式で鼻血も駄目だけどっ!!)

 この残念美人、既に思考回路が遠く離れた世界に羽ばたいてしまっている。しかしそんな残念美人にベルはさらに畳みかけるように隣に寄り添い、耳元でその美しい声の囁きを届ける。

「最近、疲れてるんじゃない……?目もちょっと充血してるし、僕はアングロが倒れてしまわないか心配です」
「ああ、ああ……ちょっ、ベル坊……耳元で囁かれるとゾクゾクするっ……」
「寒気もあるんだ。やっぱり久しぶりに帰ってきた僕のせいで気を使って疲れてるんだね」
「うあ……いや、そうじゃな………」
「………ふぅっ」
「はひゃあ!?」

 突然耳に小さく息を吹きかけられたアングロは普段なら絶対に上げないほど情けない声を上げた。しかしこれ、実際問題やられたらかなり来るだろう。なんせベルは間違いなく美少年で、しかもその美しさと子供のかわいらしさが同梱した声はとても耳にくすぐったい。そんな少年に耳元に息を吹きかけられたりしたら、そういうのが好きな人にとっては抗いがたいゾクゾクを感じる筈だ。
 どんどんベルのペースに持ち込まれ、アングロは完全に主導権を失った。

「寝よう、アングロ。寝たらきっと元気になる………」
「……うん」
「寝てるアングロの顔が見たいな」
「……はい」
「僕が眠れるまで手を握っててあげる」
「………おねがいしまふ」

 得も言われぬ幸福感とぼうっとした心地よい熱に脳髄を溶かされ、アングロはベルの言われるがままにベッドに潜り込み、その幸福感に支配されながら深い眠りに落ちた。ベルの小さな手を優しく握りしめながら……。

 1分後、アングロが幸せそうな顔で寝たのを確認したベルはその手をあっさり放してもそもそと着替え始めた。動きは遅いが自分で着替えるぐらいのことは出来る。後ろで幸せそうに寝息を立てるアングロをちらりと見たベルは、棚から一冊の本を取り出してそのタイトルを指でなぞる。

「ミノリのくれた『ジャマダイ式洗脳法』……本当に上手くいくとは。というかミノリ、こんな胡散臭い代物を一体どこで手に入れたの?」

 ――そうです全てはあの佐藤さんの策略だったのです!!

 この本と部屋のお香はかつてミサイルハッピーになっていたシャルが使っていたあの洗脳本とお香である。一時は千冬に没収されていたものだが、佐藤さんはこれを教務補助生の立場を利用して(というかそろそろシャルに返してよかろうと説得した結果、判断を任せられた)手に入れていたのだ。
 きたない流石佐藤さんきたない。しかし
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