第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#5
PRIMAL ONEU 〜Either Side〜
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ケラケラと笑った。
「アンタのは挨拶じゃなくてセクハラでしょ?
アナタもイヤならイヤってはっきり言った方がいいわよ。
この娘脳天気だから、そうしないと解らないから」
「うるさいわね “マライア”
私とヘカテーちゃんの仲にケチつけようってのッ!」
「アンタが一方的に慕ってるだけでしょうが……」
マライアと呼ばれた女性が、その脚線美を組み直しながら
ロンググローブに包まれた右手を額のサングラスに当てる。
(この女性、は……)
未だ能力を知らない一人の 『スタンド使い』 を、
少女は本能的に注視していた。
その美貌はミドラーに劣らないが、躰から発せられる独特の気配。
抑えていてもジリジリと感覚が薄れるような、
ここまでの風格を宿す者は、フレイムヘイズにもそうはいない。
求知心からその本質を把握したいと、零下の双眸がより凍てついていく
少女の心中など知らず、傍の白肌の美姫は変わらぬ声で告げた。
「まぁいいや、せっかく逢ったんだし、
ティールームで何か甘いモノでも食べよ♪」
「いえ、ワタシはまだ仕事がありますから」
マライアから視線を逸らさぬまま、
ヘカテーはミドラーの申し出を丁重に辞退する。
しかし。
「そんなの後♪ 後♪ あんまり仕事の虫じゃ倒れちゃうよ♪
たまにはパーッと息抜きしないと♪ ほらっ♪ いこっ♪ ねッ♪」
そう言って現世の美姫は紅世の巫女の手を優しく取り、共に歩き出そうとする。
「あ、あの、ですから」
本当に嫌ならしつこく言い寄ってくる “アノ男” と同じように、
素気なく一蹴すればいいだけなのだが
『そうともいいがたいから』 始末が悪い。
何より限界寸前まで酷使した神経を宥めるのに、
多量の甘味は抗い難い魅力だ。
でも、いや、しかしながら、矜持と私心の狭間で逡巡するヘカテーの肩に、
ポンと誰かの手がおかれた。
「異世界の不思議な 『能力』 の話、聞かせて貰える?
私はしばらく 「外」 に出てたから、詳しく知らないのよ」
浅黒い肌の美女、マライアがヘカテーにそう告げた。
何もかもが対照的な両者の間ではまとまるものもまとまらないので、
しかたなしに仲介役を買って出た。
「えぇ〜、アンタも来るのぉ〜。
せっかくヘカテーちゃんと二人っきりになれると想ったのにぃ〜」
露骨に顔色を曇らせる白肌の美姫に、
「……アンタに何訊いても “この子が可愛い♪” しか言わないからよ。
大事に想ってるなら、相手のコトをちゃんと理解しておきなさい」
エキゾチックな美女は伏し目で問責する。
「……」
まぁそういう事なら、互いに取って有益なので少女は幾分譲歩する。
「貴女の、 『幽波紋』 の事もお訊きしてよろしいですか?
色々と戦術
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