323部分:第四十三話 アイオロス見参その七
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第四十三話 アイオロス見参その七
「アルデバランも本来はそうだ」
「タウラスもだというの?」
「けれどタウラスは」
先程マーテルも倒している。このことを言おうとした。しかしそれより前にアイオロスの方から言ってきたのだった。彼の方が早かった。
「それを押し殺しているのだ」
だからだというのだった。
「女に拳を振るわない、その考えを押し殺してな」
「だからだというのね」
「マーテルを倒したことは」
「そうだ。我等黄金聖闘士は時として望まぬことをしなければならない」
アイオロスのその声が険しいものになっていた。
「一度技を出せばそれに巻き込まれる者もいる」
これも彼自身が黄金聖闘士だからよくわかっていることだった。
「そう。罪もない者がな」
「それが戦いではなくて?」
「そうね」
だが二人の狂闘士はそれを聞いてもこう返すだけだった。
「何ということはないわ」
「戦いで人が死ぬのは当然だから」
「御前達にしてみればそうだ」
狂闘士のその考えはわかっていた。彼等は血生臭い流血の戦いと破壊こそがその本分だ。それならば今のアイオロスの言葉がわからないのも当然だった。
「だが。我等は違うのだ」
「そうなの」
「だからこそ」
「そうだ。聖闘士は誰であろうとも罪のない者の血が流れることは好まない」
それが聖闘士だというのだった。
「アルデバランは。特に敵が女であってもだ」
「甘いわね」
「タウラス。そうは見えなかったけれど」
「何度も言うがそれを押し殺しているのだ」
だからだというのだった。
「そしてだ」
「そして?」
「まだ何かあるというの?」
「四人で来てもいい」
今度は狂闘士達自身に告げた言葉だった。
「二人だけでなくな」
「言ってくれるな」
それに反応を見せたのはヨーダだった。
「貴様もまた我等を一度に相手にするというのか」
「それは好きにするがいい」
一旦突き放したようなことも言うアイオロスだった。
「だが私は四人であろうとも戦ってみせよう」
「ヨーダ」
「どうするの?」
リベカとデューテは今のアイオロスの言葉を聞いてヨーダに顔を向けて問うた。
「そしてディーン、あんたは」
「それでいいのかしら」
「俺はいいぜ」
ディーンは不敵な笑みでこう応えた。
「サジタリアスがそれで死にたいっていうんならな」
「そう。それでいいのね」
「それじゃああんたはそれでね」
「私もだ」
ヨーダも言ってきた。
「サジタリアスがそう言うのならな」
「そうね。じゃあこれで決まりね」
「サジタリアス、言う通りにしてあげるわ」
二人は再びアイオロスに顔を向けて告げた。
「四人で相手をしてあげるわ」
「それでいいわね」
「よし」
アイオ
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