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おぢばにおかえり
第三十五話 詰所での再会その十三
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「嬉しいって」
「いや、先輩と一緒ですから」
「私とって」
「まあ宜しくお願いしますね」
「変なことばかり言うんだから」
「そうですか?」
「そうよ、とにかくお墓地ね」
 お昼の後はです。
「そこに行くのね」
「それじゃあ」
 そうしたお話をしてでした、私達はカレーライスを食べてから詰所を出ることにしました。その時にでした。
 一階の事務所で詰所で働いている人達が私達に言ってきました。
「じゃあね」
「楽しんできてね」
「はい、そうしてきます」
 阿波野君はにこにことして詰所の人達に応えました。
「先輩に案内してもらって」
「千里ちゃんもね」
「楽しんできてね」
「はい、行ってきます」
 釈然としないものを感じていました、正直。どうして阿波野君と一緒に楽しんできてとなるのかどうしてもです。
「先輩と一緒に」
「ははは、千里ちゃんもなんだね」
「はい、先輩がついてきてくれるんです」
「だから何でそこで私を言うのよ」
 私はむっとした横目で阿波野君を見て言いました。
「最近いつもだけれど」
「だって本当に一緒じゃないですか」
「何か成り行きでよ」
 そうなるとです、私はまた阿波野君に言いました。
「阿波野君と会ってから平和じゃなくなったわ」
「平和ですよ、今も」
「全然、騒がしくなったわ」
「そうなんですか」
「そうよ、何かっていうと一緒になって」 
 学校でも外でもです。
「こうして変なこと言い合って」
「変なことはしてないですよ」
「したら許さないから」
 八重歯が出ちゃいました、今日はじめてでしょうか。
「絶対にね」
「はい、僕も紳士ですから」
「何処が紳士よ、紳士は自分で紳士なんて言わないわよ」
「あれっ、そうですか?」
「そうよ、大体阿波野君って何処が紳士よ」
 どうしてこんなことを言うのか理解出来ませんでした。
「本当にいつもいつも」
「これで無作法とか言われたことないですよ」
「そうなの?」
「はい、ですから紳士じゃないですか?」
「そうは思えないわ、とにかく行くのよね」
「はい、お墓地まで」
「じゃあ行きましょう」
 私は憮然としながら阿波野君に言いました、
「二人でね」
「はい、それじゃあ今から」
 何はともあれお墓地まで出発です、その時に詰所の人達にまた挨拶をしましたが何故か皆さん阿波野君ににこにことして言います。
「じゃあ千里ちゃん宜しくね」
「いい娘だからね」
「はい、先輩凄くいい人ですよね」
 阿波野君もにこにことしています。
「一緒にいたいですね」
「じゃあね」
「宜しくね」
 何が宜しくなんでしょうか。
 よくわからないまま私は阿波野君に付き合う形でお墓地にお参りに行くことになりました、阿波野君は相変わら
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