319部分:第四十三話 アイオロス見参その三
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第四十三話 アイオロス見参その三
「それでいいぜ」
「俺もだ」
「私も」
「俺も」
他の三人も賛成した。これで決まった。
マーテルは彼等の言葉を受けてすぐに目で指示を出した。他の四人の狂闘士達はその目での合図を受けて静かに動きアルデバランを取り囲んだ。そして。
「行くぜ、タウラス!」
「私達のこの技で」
「貴様を葬る」
「覚悟しろ!」
それぞれ叫びながら技を繰り出しに来た。まず仕掛けてきたのはグレイだった。
「ウォータークラッシャーーーーッ!!」
凄まじい水圧を両手から放つ。それはまさに激流だった。
グレイが激流を放つと次はジュリアだった。彼女はその背に炎を背負っていた。
「このブエルは炎の魔神」
「そうだったな」
アルデバランは彼女が飛翔しながら構えを取っているのを見ていた。
「だからこそ今見せるというのか」
「そうよ。さあ受けなさい」
気迫に満ちた声でアルデバランに告げる。
「このブエルのジュリア最大の奥義」
「むうっ!?」
「ローリングファイアーーーーッ!!」
彼女の技は回転する炎の渦だった。それを右手の平から一気に放ったのだった。
「よし、次はだ!」
「我等だ!」
今度はロビンとアトラスだった。
「このカイムの技もな!」
「ボティスの技、見るがいい」
彼等もまた攻撃態勢に入る。そのうえで放つ技は。
「ブレイキングボイス!」
「アックスクラッシュ!」
ロビンは超音波を放ちアトラスはその両腕を斧の様に振り下ろした。四人が一度に攻撃を放つが彼等だけでは留まらなかった。
「さて、次は」
「貴様か」
「ええ。このアモンのマーテル」
最後は彼女なのだった。
「最大の奥義も合わせて」
「来るというのか」
「受けなさい」
今その両手を鋭い爪にさせ牙を生やしたように見えた。
「アモンは狼の魔神」
「貴様はそれか」
「その通りよ。その狼の爪と牙で貴方を倒す」
鋭い二つのものを見せながらの言葉だった。
「受けよタウラス」
高らかに宣言さえしてみせた。
「ドゥームズウルフ!!」
無数の狼の爪と牙が襲い掛かるような攻撃だった。こうして五人の攻撃が一斉にアルデバランに襲い掛かる。まさにそれはこの世の終わりのような攻撃だった。
「さあタウラス!」
「この攻撃どうかわすのかしら」
五人は確信の笑みを浮かべながらアルデバランに尋ねた。
「我等五人の攻撃をこのまま受ければ貴様とて命はない」
「さあ、どうするのかしら」
「では見るのだ」
アルデバランは五人の攻撃の渦の中心にいる。しかし腕を組み立っているだけだった。まるで攻撃も何も受けることがないようにだ。
「このアルデバランが貴様等の攻撃をどのようにして防ぐのかを」
「防ぐ!?」
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