318部分:第四十三話 アイオロス見参その二
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第四十三話 アイオロス見参その二
「そのようね」
「!?マーテル」
「貴女もここに」
「ええ」
今度姿を現わしたのはマーテルだった。アモンのマーテルもまたこの螺旋階段の戦場に姿を現わしてきたのであった。
「タウラスを侮ってはいけないわ」
「それはわかっている」
「私も」
グレイとジュリアがそれに応える。
「だが。ここには大地がない」
「それでもタイタンズノヴァを使えるかどうか」
アトラスとロビンはそこを疑問視するのだった。
「どう考えても無理ではないのか?」
「そうだ。大地がなければ」
「普通に考えればね」
だがマーテルは考える顔で四人の同志達に述べるのだった。
「その通りよ」
「ではタウラスは普通ではないと」
「その危険もまた」
「黄金聖闘士だから」
マーテルが危惧するのはこのポイントだった。
「若しかすると」
「確かに」
アトラスがマーテルのその言葉に頷いた。
「キャンサーもカプリコーンもピスケスも思いも寄らぬ技で同志達を倒してきている」
「そうだったわね」
ジュリアはアトラスのその言葉に頷いた。
「ジェミニもまたそうだったわ」
「じゃああれか」
グレイは二人の話を聞いてそのうえで述べた。
「使えると思っていいってわけかよ」
「そうなるな」
ロビンは冷静にこう判断した。
「結局はな。黄金聖闘士だからな」
「少なくともグレートホーンはあるわ」
マーテルはアルデバランのこの技のことは忘れてはいなかった。
「その圧倒的な角は確実に健在よ」
「それならよ」
グレイはそれを聞いて一つの判断を下した。
「一気にやるか」
「一気にか」
「倒すというのだな」
「そうさ」
不敵な笑みは出て来た時と同じであった。
「技を出す前にな。これでどうだよ」
「そうね」
マーテルが彼のその言葉に頷いてみせた。
「それが一番いいわね」
「よし、それならだ」
「ただし」
グレイが前に出ようとするところでマーテルが制止してきた。
「まだ駄目よ」
「攻撃するなっていうのかよ」
「ええ。一人一人がめいめい勝手に動いては駄目よ」
それを禁じるのだった。個人行動を、であった。
「それはね」
「じゃあどうするってんだよ」
「五人一度に攻めましょう」
彼女の考えはこれであった。
「五人で一度にね」
「つまりあれですね」
「一斉攻撃を仕掛ける」
「それでタウラスを倒すと」
グレイ以外の三人がこう返した。
「それでいくのですか」
「ええ。さもなければタウラスは倒せない」
アルデバランを決して過少評価しない、マーテルの考えは慎重であった。
「だからこそ」
「よし、それならな」
グレイが笑いながらマーテルの言葉に賛同した。
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